平成26年10月号



村上 しいこ/著 講談社

 陸上競技大会が終わりセンパイたちが決めた次期キャプテンは誰も予想しなかった真歩だった。
実力は平凡、リーダーシップもない真歩は、なぜ自分なのかと戸惑う。キャプテンって、何をしたらいいんだろう。真歩にはわからなかった。
4月になった真歩たち陸上部に、一年の美羽留が入部。美羽留はリレーで全国を目指し、一走を走りたいと希望した。
キャプテンとして最後のリレーに真歩は出場できるのか。南沢中学校陸上競技部を舞台に繰りひろげられる青春物語。



橋本 治/著 筑摩書房

 日本の古典は分かりにくい。でも読んでみないと分からない。読んでみようとしてみても、そう簡単には分からない。それでも読んでほしい!長い時間が経った今でも残っている古典の魅力に触れてほしい。



小山 薫堂/著 河出書房新社

 日常の「あたり前」をリセットし、今まで気づかなかった新しい価値を見つけ、毎日をちょっとでも面白いものにするヒントになってほしい。くまモンの生みの親が、悩んでいる君たちにおくる新しい自分を見つけるための一冊。一度きりの人生、夢を抱けることに喜びを感じてほしいと願う著者の思いがつまった本。



宗田 理/著 ポプラ社

 七日間戦争の舞台となった廃工場で出会ったもとエリートらしい瀬川。今はやさぐれ老人だけど、ぼくらの最大の味方。
その瀬川の具合が相当悪いと連絡が入った。見舞いに行った英治たちに息子に会いたいと告げた。瀬川が語ったことは、ずっと黙ってきた秘密のことだった。
『ぼくらの七日間戦争』…「ぼくら」はここから始まった。そしてシリーズいよいよ20巻。ずっとぼくらを見守ってきた瀬川老人の秘密が明らかに。それは同時に、別れを意味するものだった。ぼくらの仲間はどう立ち向かうのか。
初めて読む君にもぜひ手にとってほしい一冊。



道尾 秀介/作 半崎 信朗/絵 朝日出版社

 あそぶとき、ごはんのとき、いつもひとりのうさぎがいました。
みんなにばかにされていました。じぶんだけ緑色だったからです。
うさぎは夜が好きでした。じぶんの色をみんなわからないからでした。
月はもっと好きでした。ながめていると白くなれるような気がするのです。
夜が明けた時、うさぎは、じぶんが緑色だということを思いだしました。
泣きながら歩きました。