令和5年度3月号


『5分で本を語れ チームでビブリオバトル』

 赤羽じゅんこ/著   偕成社

    本の面白さを人に伝えるビブリオバトル。読書部に所属する童夢は絶対の自信を持って校内のビブリオバトルに挑みますが、放送部の吉住さくやに惨敗。本を読まないのにチャンプ本をとった彼女に立ち向かうべく、次のステージ「綺羅星バトル」へ向けて仲間たちと特訓に励みます。5分間で人に「読みたい」と思わせるためにはどのような語り口がいいのか、童夢は真剣に考えます。この本に登場する本はすべて実在します。本の紹介も相まって、「よんでみようかな?」という気持ちにさせてくれます。


 




『車いすでジャンプ!』

  モニカ・ロー/作 中井はるの/訳     小学館

 12歳のエミーは脊椎に障害があり、車いすで生活しています。彼女の夢は大ジャンプで宙を舞う車いすのモトクロス選手になること。父が作ったジャンプ台で練習する日々を送っていましたが、ある日、エミーは学校で転倒してしまい、騒ぎを起こしてしまいます。周囲の人たちは良かれと思って支援することがエミーの思いとは違って・・・。「あたしは恵まれない人なんかじゃない!」エミーは必死に訴えます。自分の身近にいる生きづらさを感じている人の気持ちを尊重し、どう接していけるのか、改めて考えさせられる一冊です。




『ここにいるよ』

  シズカ/著         月とコンパス 

 ―キミがいない 朝起きても
       ボクのとなりは つめたいまま―
愛するネコが死んだ後も、ボクは何をする時もその存在を探してしまいます。今もそこにいるようで、だけど話しかけても返事はありません。でもネコはどんな時も彼に寄り添っています。「いまもいるよ なでてもらえなくても」お話の中盤から登場するネコ。ページが透かしの構造になっていて、ネコがそこにいるような絶妙な仕掛けになっています。ぜひ、1ページ1ページをゆっくりと時間をかけて味わってみてください。





『なんで ファラオは男なの?  古代エジプト女王の源流を探す旅』

  山花京子/著    新泉社 

    佐藤美羽は何事にも自信がなく、引っ込み思案な女の子。ある日、母親と日本語サークルのボランティアに参加し、そこで知り合ったヤスミーンに「アラブ・チャリティーバザー」に誘われます。エジプトの文化に触れ興味を持った美羽は、家族や周囲の後押しもあって、実際にエジプトに行き「古代女性エジプトの女性」を調べることに。男性の姿をして王として君臨した女性ハトシェプストの存在を知り、社会と女性のかかわり、男女平等について深く学びたいと強く思います。男性優位な世の中で、女性だからできる社会貢献について考えてみませんか?





『世にもあいまいなことばの秘密』

 川添愛/著    ちくまプリマー新書

  私たちの使う日本語が、他の国の言葉と違って、とてもあいまいだということを知っていますか?例えば「スマホのバッテリーがなくて困る」と言われた時、バッテリー機器がないのか、スマホ自体の充電がないのか悩んでしまいます。「あいまい」すぎて勘違いが生じ、言葉の選び方を間違えてしまうと、相手とすれ違う可能性だってあります。LINEのやりとりでも、それがいじめにつながった事例があります。そんな失敗を回避するために、あいまいさの特徴を、面白さを交えながらクイズ形式で学べる、頼りになる一冊です。