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おすすめの本
 

No.761  令和6年3月

『子どもを育てられない親たち』『複業コンパス』
草薙 厚子/著 イートン・プレス

 日本の社会問題となって久しい児童虐待。行政改革や法改正が進むなか、痛ましい事件は何故なくならないのでしょうか
 本書では、児童相談所勤務経験のあるジャーナリストの著者が、実際に起きた事例を細かく紐解きながら、その問題点に注目していきます。社会に大きな影響を与えた事件から、解決に繋がった事例まで、児童と保護者を取り巻く環境について詳しい解説がされています。また、暴力に代表される身体的虐待だけでなく、近年大きく取り上げられるようになった性的虐待にも触れられ、虐待を受けた児童の脳が受ける影響についても警鐘を鳴らします。
 4割の大人が体罰を容認しているというこの国で、子どもの心と命を守るため、この問題を今一度見つめ直してみませんか。
(S.S)

若色 広大、高橋 範慈/著 
     クロスメディア・パブリッシング

 2018年に策定された「副業・兼業の促進に関するガイドライン」や、2019年から施行されている「働き方改革関連法」などにより、最近では様々な働き方の形が現れています。
 その中には「複業」という働き方があります。同じ読み方の「副業」とは異なり、メインやサブという順序を付けずに、会社員と個人事業主といった複数の仕事を同時に本業として取り組むものです。収入を増やすだけでなく、スキルアップやキャリア形成を目的として頑張る意欲的な人が挑戦しています。
 複業マイスターとして活躍している著者の2人が、複業を目指す人へのコンパスになるようにと、実践するためのコツを語ります。
(K.S)
『みんなしあわせ!保護猫ビフォ→アフタ→』『便を見る力』
猫びより編集部/編 辰巳出版

 ページを開くと「左」が出会ったころ、「右」が現在の猫のフォトストーリーになっています。どの写真も、現在の猫の姿が皆幸せそうな表情を見せています。
 先住猫を見送り、残った猫に相棒をと気づかい、保護猫を向かい入れる家族。大晦日にお母さん猫が、子猫たちを引き連れて現れ、そのまま飼うことになった飼い主さん。保護される猫たちの理由は様々です。これから猫との生活を考えている方、一緒に住めなくても猫が好きな方にも保護猫の魅力を知ってほしいおすすめの一冊です。
(Y.K)

石井 洋介/著 イートン・プレス

 「便」と向き合うこと。それは人生と向き合うこと。これは、人間の尊厳に関わる、大きな課題の一つです。そのために、一日に一度、便を見よう
 著者によれば、便を見れば社会が見えてくるのだそう。それは介護と医療、老化と健康、そして未来のこと、終末期のこと…。便に対する意識改革で、命が救われます。腸内環境改善も、まずはここからです。
 うんこ学会会長で、消化器外科医の著者が、便と向きあうこと、そして「死」についてタブー視しないことを提案します。
(Y.N)
『錆びない生き方』『涙にも国籍はあるのでしょうか』
五木 寛之/著 毎日新聞出版

 過去の著名人、現代のアスリートや経営者、作家など様々な生活者の名言を著者の解釈を交えて紹介する本書。週刊誌や新聞、テレビやインタビューの中にも現代の名言は隠れていると語る著者。その独自の視点から語られる名言への解釈は、日々の中で挫けそうになる人の心を励ましてくれる力が、様々な人の言葉に潜んでいることを教えてくれます
 読む人の心を確かに支えてくれる、錆びない言葉に溢れた一冊です。
(K.A)
三浦 英之/著 新潮社
 
 2011年3月、未曽有の被害をもたらした東日本大震災。著者は、震災直後から一年間にわたり津波被害の最前線を取材しました。その後も、仕事ではなく被災地を訪ね人々との交流を続ける中、思いもよらない事実に直面します。それは、東日本大震災での外国人の犠牲者数が正確に特定されていないということ。そこで著者は、自らの取材で一人でも多くの外国人犠牲者を見つけ出し、彼らがこの地でどのように生きたのかを辿ることにしました。本書には、彼らが生きた証を確かめるようにその姿が描かれています。
(Y.O)