令和5年度7月号


『ヨゾラ物語ファイル』

 藤 真知子/著  ポプラ社
 
    人間とAⅠロボットが繰り広げるファンタジー。時はヨゾラ紀。AⅠには優れた人工知能が搭載されていて、まるで人間同士のやり取りのように感じられます。ヨゾラ紀では同性同士の結婚が認められた後、AIとの結婚も法律で認められます。人間はAIと愛をはぐくむことができるのか?世にも不思議な6つのショートストーリー。どの物語も衝撃の結末が!!「近い将来、現実になりそうな物語かも!?」と想像すると一気に読めそうです。「まじょ子」シリーズや「私のママは魔女」シリーズなどでおなじみの藤真知子さんの最新作です。

 




『バスを 降りたら』

   眞島 めいり/著  PHP研究所

 奈鶴は中高一貫校の附属中学校に通う1年生。自分の乗るバスに、途中から乗車してくる別の中学校の制服を着た男子が気になります。さりげなく具合の悪そうな女性に席を譲ったり、自分に道をあけてくれたりする親切な彼。お礼を言いたいけれど、勇気が出ません。
 律は私立の中学校に通う一年生。いつものバスに乗ると、自分が第一志望で不合格だった附属中学校の制服を着た女子が座っています。その子を見ると気持ちが落ち込み、自分の置かれた場所から逃げたくなります。奈鶴と律の視点から描いた物語。二人は慣れない新しい環境で一歩踏み出すことができるのでしょうか…?





『カムイの大地 北海道と松浦武四郎』

  泉田 もと/著  岩崎書店

 北海道がまだ、「蝦夷地」と呼ばれた頃、その土地の記録や、そこに住むアイヌ民族の文化を記録した松浦武四郎のお話です。「松浦」という名前、彼は伊万里市の隣、長崎県松浦市や平戸市にルーツのある肥前国「松浦氏」の子孫です。平戸で僧侶となりますが、家族の死をきっかけに、探検家となり蝦夷地へ。江戸末期の動乱から明治にかけて、蝦夷地を何度も訪れ、アイヌ人を救い、アイヌ文化の素晴らしさを人々に伝えました。これを読めば、彼が名付けた「ほっかいどう」という地名に思いが込められていることがわかります




『テストに強い人は知っている    ミスを味方にする方法』

   中田 亨/著   笠間書院
 

  ―「ミスをしない人」は「ミスに気付ける人」―
勉強のできる人を「生まれつき頭がいい」とか、「地頭がいいから」などと言ったりしていませんか?違います。日々の努力や習慣があってこそ、なのです。何もせずに頭のいい人はいません。この本では、自分のミスをいかに減らすか、失敗をどのように生かしていくのか、勉強ができる人はどのようにミスを処理しているのか、教科を交えながら徹底解説されています。勉強する時の考え方を少し工夫することによって、理解力が増すかもしれません。





『三国志が好き!』

 渡邉 義浩/編著   岩波書店
 
   「『三国志』の中でだれが好き?」という会話は、中々中学校の中では交わされないでしょう。(『三国無双』をやっている人は別として…)横山光輝さんのマンガは有名です。個人的には吉川英治さんが書かれたものがおすすめです。三国志はなぜ長く愛されるか?それは様々な人間模様や目まぐるしく変わる展開にあると思います。読むと愛すべき「推し」の登場人物が見つかります。この本はその三国志の入り口の部分です。ゲームしか知らない人、「気になるけど難しそう…」と思っている人は、ここからスタートしてみませんか?