令和5年2月号



角野 栄子/作 佐竹 美保/絵 偕成社

 ちいさな木(き)が一本(いっぽん)はえていました。もう何年(なんねん)もそこにはえています。でも、その木はずっとちいさなままでした。
 ひがしの空(そら)がすこし明(あか)るくなったころ、一ぴきの犬(いぬ)が走(はし)ってきました。なまえはゴッチ。家出(いえで)して、これからじぶんのすきなところにいくのだといいます。いっしょにいきたいちいさな木ですが、うごけません。するとゴッチは、いきなりちいさな木のそばの土(つち)をほりはじめました。ちいさな木はねっこをひきぬくと、イッポイッポとあしぶみをしてふたりは歩(ある)きだしました。






平田 昌広/作 平田 景/絵 文研出版

 ともちゃんは、エビフライのしっぽがだいすきです。ところが、同(おな)じはんのみんなは、きゅうしょくのエビフライのしっぽをのこしています。さくさくでこうばしくて、とっておきのスナックがしみたいなエビフライのしっぽ。なのに、おばあちゃんみたいだといじわるばかりいいます。エビフライのしっぽをたべるのは、そんなにおかしいことなのでしょうか。
 家(いえ)に帰(かえ)っておとうさんに話(はな)すと、「みんなにエビフライのしっぽのおいしさをつたえたらいいよ」といわれて、ともちゃんは本(ほん)だなのまえで考(かんが)えます。



        低学年から

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「こらしめじぞう」~ふらちなやつ引(ひ)きうけます~

村上 しいこ/著 軽部 武宏/絵 静山社

 人(ひと)の失敗(しっぱい)を笑(わら)うおねえちゃんにギャフンと言(い)わせたい依央里(いおり)とクラスの問題児(もんだいじ)、空我(くうが)に注意(ちゅうい)したことで仕返(しかえ)しされている佳蓮(かれん)。
 ある日、二人(ふたり)は空き地(あきち)におじぞうさんが立(た)っているのを見(み)つけた。おじぞうさんのまわりには、タヌキのおきものたちがとりかこんでいて、立て札(たてふだ)には『こらしめじぞう』と書(か)かれている。ちょっぴりムカつく相手(あいて)の名前(なまえ)をとなえると、自分(じぶん)のかわりにこらしめてくれるおじぞうさんらしい。二人が名(な)をとなえると、地(ち)をはうような気味の悪(きみのわる)い声(こえ)がして…。






令丈 ヒロ子/著 浮雲 宇一/絵 講談社

 チサはクラスの人気者(にんきもの)、マユカと仲(なか)よしだが、いつも気(き)を使(つか)っている。マユカのきげんを取(と)ろうとゲームをはじめたが、うまくいかずにみんなに悪者(わるもの)あつかいされてしまった。チサがいない間(あいだ)に、みんなできっと悪口(わるぐち)を言(い)っている。教室(きょうしつ)にはもどれないと思(おも)っていたら、『なんとかなる本』と書(か)かれた赤色(あかいろ)の本が床(ゆか)に落(お)ちていた。「なんとかなるなら、なんとかしてよ!」とさけんだとたん、気がつくとチサは本の樹(き)が生(は)えている図書館(としょかん)にいて…。