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おすすめの本
 

No.759  令和6年2月

『朝、空が見えます』『家事がラクになる小さな家、建てました』
東 直子/著 ナナロク社

 本書は、2017年1月1日から始まる365日間を著者が、毎朝Twitter(現在はX)に朝の様子または、感じた事を投稿していた一文を一編の詩としてまとめたものとなっています。
 感じた事をそのままに言葉が紡がれていますので、書かれる一文一文に、その時の情景が鮮明に浮かび上がってくるような感覚を味わうことができます。「おはよう」から始められる朝に、当たり前を感じさせつつも、一日とて同じものはない、と陽気に語り掛けてくれるような魅力が、この本にはあります。
(W.H)

竹村 真奈/編著 翔泳社

 夫婦ともにフリーランスで子どももいる。将来の不安を払拭すべく、「家さえあれば生きていける!」と一念発起した著者の家づくりの記録です。
 建築会社4社に見積もり依頼した間取りや、土地と道路の関係、必要な諸費用の話までしっかり解説されています。住み始めてから物の配置を変えた経験も紹介されており、今ある家に住んでいる人も活用できる暮らしのヒントになります。
 これから家を建てる人はもちろん、模様替えや家事のしやすい間取りを考えたい人におすすめの一冊です。
(S.S)

『親子で学ぶ熊本の文化財』『それでも、生きてゆく』
林 茂/著 熊本日日新聞社

 熊本日日新聞社の生活情報誌『くまにち・あれんじ』に連載した「親子で学ぶ 文化財担当者のイチ押し」をまとめたものです。本書は、熊本の歴史の概念や代表的な文化財紹介ではなく、各現場で文化財の調査・保存や活用に取り組む学芸員や文化財行政担当者が、多くの人に知ってほしいオススメの文化財の魅力や由来を語ったものです。
 轟貝塚、方保田東原遺跡、鞠智城跡、熊本城跡など種類や大まかな時代ごとに102の文化財を並べています。自分が生活している場所にはどんな歴史があったのでしょう。本で調べて実際に出かけてみると歴史の楽しみ方も変わります。
(T.M)

坂元 裕二/著 河出書房新社

 14歳の男子中学生による4歳の女児の殺人事件から15年後。
 妹の死で崩壊した家族の中で生きる被害者の兄、洋貴と、兄が殺人を犯したことで名前や住む場所を変えながら生きることをよぎなくされた加害者の妹、双葉。二人を中心に被害者の家族と加害者の家族を描いていきます。
 2011年に連続ドラマとして放送された本書は小説ではなく、柱書き、ト書き、台詞で構成されているシナリオです。小説での会話文ではなく、台詞を文字として読むうちに文字が音に、声になって、役者の体を通して立ち上がっていくような感覚に襲われます。
(Y.M)
『家なき人のとなりで見る社会』『地球の歩き方 北九州市』
小林 美穂子/著 岩波書店

 学校や会社という場で生きづらさをずっと感じていた著者は、お金を貯め日本から海外へ飛び出しました。通訳の仕事に就き、上海で生活をしていた時に、日本に存在する貧困の姿をニュースで知ります。それをきっかけに、日本の貧困の実態をその目で確かめるために活動をし、生活困窮者の支援に14年もの間携わってきました。
 本書では、コロナ禍前、その最中から現在まで、休業や失業で生活困窮に陥った人や外国人などとの交流の様子、行政や国との交渉、そこから見えてきた無情な日本社会に言及しています。
(Y.O)
地球の歩き方編集室/編集 Gakken
 
 海外旅行のバイブル、あの「地球の歩き方」に初めての“市版”が登場しました。それも福岡県北九州市!
 製鉄所や門司港のことは知っているけど?いえいえ、ディープでユニークなまちの情報が盛りだくさんなのです。グルメや観光スポットはもちろんのこと、独自の進化を遂げた成人式の裏側、火災から復興中の旦過市場まで、想像のナナメ上をいく魅力が満載です。
 丹念な取材に基づいた、新しい北九州の歩き方。読めばきっと、キタキューが気になります。
(Y.N)