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おすすめの本
 

No.762  令和6年4月

『ゴールデンカムイ絵から学ぶアイヌ文化』『世界はラテン語でできている』
中川 裕/著 集英社

 アニメ化、映画化もされ、これまで知識・関心がなかった多くの人たちにアイヌ文化への興味を向けさせた漫画『ゴールデンカムイ/作:野田サトル/集英社』。
 本書は漫画『ゴールデンカムイ』のアイヌ語監修者が、原作の絵を引用しながら漫画に描かれているものの背景を掘り下げて解説します。衣服や用具なども“もの”の使い方や季節の感じ方や作法などの生活様式など。漫画を読んでいるときにはわからなかったことにああなるほど。と膝を打ちたくなる箇所も。ぜひ原作と合わせて読みたい作品です。 
(Y.
ラテン語さん/著 SBクリエイティブ

 イタリア半島中西部の一都市の言語として産まれ、古代ローマの勢力拡大に伴って、各地に広がっていったラテン語。欧米の言語に影響を及ぼしているラテン語は、日本でも頻繁に目にすることができます。アルファベットや、午前・午後を表すAM・PMなどはラテン語由来の言葉です。本書は、古代ローマからの歴史や、他言語に残っている痕跡からラテン語の魅力について知り、ラテン語と関係がある政治、宗教、科学といったジャンルの知識を身に付けることができます。巻末には、漫画『テルマエ・ロマエ』の作者、ヤマザキマリとの特別対談も収録されています。
 (S.M)

『僕らはまだテレビをあきらめない』『83歳、いま何より勉強が楽しい』
是枝 裕和ほか/著 緑風出版

 「誰も知らない」や「万引き家族」などの映画監督としても有名な是枝裕和氏が語るメディアの実態。国民の「知る権利」を強く支えているテレビは、報道の現場にとってどのような役割を担っているのか、いくつかの対談を交えながら考えていきます。
 世界にはたくさんの報道機関がありますが、正しい情報ばかりとは限りません。特定の団体や人物に忖度した情報が溢れているのが現実です。偏った報道を見抜き、いかに情報を取捨選択していくのか…。是枝氏の放送への愛を通して、テレビをはじめとしたメディアとの付き合い方を伝えます。
A.K
野口 悠紀雄/著 サンマーク出版

 人生100時代。今や「成人後の人生の半分が退職後」となっています。経済の豊かさと医学の進歩がもたらした恩恵なのですが、何の準備も整っていないのが現状です。社会のしくみも、個人のライフスタイルも、このままでいいのでしょうか?
 だからこそ、シニア世代のみなさんに「勉強」をお勧めします。記憶力が衰えることよりも、知的好奇心が衰えることが大問題です。シニア世代だからこそできる最高の贅沢、それが勉強。
 映画を見る、読書をする、デジタルを活用する…。あなたにぴったりの勉強方法が、きっとみつかります。
Y.N

『百実帖』『チョコレートを食べたことがないカカオ農園の子どもにきみはチョコレートをあげるか?』
雨宮 ゆか/著 雨宮 秀也/写真
エクスナレッジ

 ページを開いたとたん、日々の暮らしが実りの景色で満たされていきます。普段よく目にする草花、野菜や果物、木の実について美しい写真とエッセイで綴られています。
 草苺、西洋蒲公英、麦、鬼灯、南天...私たちの身近にある、四季折々の実の100の愉しみかたを紹介しています。それぞれの実と人の暮らしとのつながりや二十四節気、実ごとの性格についてなど、視点も多彩です。
 また花器に限らず、普段使いのうつわやお皿、小物を取り入れた生け方のヒントも紹介し、愉しみかたが広がります。
 3部作シリーズの1冊で、ほかに『百花帖』『百葉帖』があります。
(M.H) 
木下 理仁/著  旬報社
 
 親しくなったストリート・チルドレンの子どもから学校に行くためのお金をおねだりされたら、あなたはお金を渡しますか?外国から来た女の子が、その国の子が生涯身につけるピアスをつけて学校に来ていたら、「校則違反だから」と外させますか?
 この本は、日本と海外との文化や様々な問題を、具体例を示して取り上げて「あなたならどうするか」を問いかける本です。正解のない答えを、みんなで議論し合いながら探していきます。
 分かりやすい文章で読者と一緒に考える一冊です。
(Y.N)