相野谷 由起/作 小学館
くろねこのちゃこは、いろんなところをのぞくのがだいすきです。ながぐつのなかをちゃこがのぞくと、なにがみえるのでしょう。ながぐつをのぞいたらあめふりのひのことがみえるのです。ぴちびちぽったん あまだれのおともきこえます。こんどは、まくらのした、ベッドのした。そんなところには、なにがあるのでしょう。ちゃこがのぞくと、ほしがいっぱいです。
こんどは、ごはんのふたのはこのすきまです。ごはんのおさかなたちをおいかけたちゃこは、どこへいくのでしょう。
仁科 幸子/作 文溪堂 アンティとアントンは、図書館(としょかん)の庭(にわ)にあるメープルカエデの木の下(きのした)にすんでいる、はたらきアリです。ある日、食(た)べものをさがしにでかけると、ふたりはなかまの列(れつ)からはずれ、図書館のなかに迷(まよ)いこんでしまいました。すぐにおおきな人間(にんげん)のくつが、ふたりの上にせまってきます。たくさんの人(ひと)が、本(ほん)を読(よ)んだりしています。すると、「はやく上にのぼっておいで」頭(あたま)の上で声(こえ)がしました。テーブルの上では、モジモジアリのモジモジばあがまっていました。モジモジばあは、図書館で本を生きかえらせる仕事(しごと)をしているというのです。
「月さんとザザさん」
角野 栄子/作・絵 小学館
ザザさんはおばあさんです。森(もり)の中の一軒家(いっけんや)に一人で住(す)んでいて、「おもしろいことなんてなにひとつありゃしない。」と毎日(まいにち)もんくばかり言っています。ある夜(よる)のこと、「わがままばあさんにはがまんができない!」と、ザザさんの家(いえ)がさけびました。スミコさんという名前の家はサザさんを放(ほう)りだすと歩きだしたのです。ザザさんは家をおいかけます。スミコさんは「家出(いえで)をする」と大声をあげ走(はし)りだしました。そのとき、空(そら)のさんぽをしていた月さんがザザさんのどなり声を聞いて立ち止(ど)まりました。
「イナバさんと夢(ゆめ)の金貨(きんか)」
野見山 響子/文絵 理論社 うさぎのイナバさんは寝る前(ねるまえ)にコーヒーを飲(の)むことにしました。横着(おうちゃく)をしたイナバさんは、なぜかコーヒーカップを投(な)げてしまったのです。カップは毛布(もうふ)の上に落ち、コーヒーはみるみるひろがりました。そこでコインランドリーへ急(いそ)ぎドラム式(しき)の青い洗濯機(せんたくき)へ毛布を入れました。コインを投入(とうにゅう)すると、ザァァ……と水音が聞こえてきて、やがてイナバさんは寝(ね)てしまいます。アラームが鳴(な)り、イナバさんが洗濯機を開(ひら)くと中に何も入っていません。それどころか青い洗濯機も消(き)えています。するとどこからか――チリン、音がしました。