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おすすめの本
 

No.666 平成31年12月

『やまと尼寺精進日記2 ふたたびの年』『ゲームのやりすぎを心配するとき』
NHK「やまと尼寺精進日記」製作班/著  
NHK出版 


 奈良県の音羽山の中腹にある音羽山観音寺。そこには2人の尼と、1人のお手伝いさんが住んでいます。 
 働き者の3人は、山の恵みを活かしつつ、麓に住む人々からいただく野菜も余すところなく活用。季節を大事にしながら、お勤めに励む毎日です。ここには私たちが忘れかけている四季が色濃く残っています。そして、季節を楽しむ尼寺での生活が掲載されています。
 四季おりおりのレシピも掲載されているので、精進料理に挑戦してみてはいかがでしょう。いっしょに尼寺の四季を満喫した気分になれます。
(A.U)
岡崎 勝/編著  ジャパンマシニスト社
     おそい・はやい・ひくい・たかい 107

 今やスマートフォンが台頭し、ゲーム機も多くの家庭で所有されています。また、子どもだけでなく大人でもはまってしまうほど魅力的なゲームも多数あります。家庭独自のルールを作ったり、制限時間を守れなければペナルティーを課したり、ゲームに熱中するあまり勉強がおろそかにならないかと心配の保護者も多いことでしょう。
 この本では、夢中になることと依存との境界について医療や教育のプロが語っています。さらに、近く導入されるプログラミング教育についても触れてあり、時代の流れを知る上でも興味深く読むことができます。
(R.K)

『歩道橋シネマ』

『災害から命を守る「逃げ地図」づくり』
恩田 陸/著  新潮社

 実在した画家、エドワード・ホッパーの作品をモチーフに書かれた一編『線路脇の家』。アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『サイコ』に出てくる家のモデルになった絵、『線路脇の家』の存在を知った“私”は「どこかでこの家を見たことがある」と、過去の記憶を思い起こそうとします。やがて、めったに乗ることのない鉄道路線を走る電車の中から見た、絵に似ている家の姿が蘇ります。言いようのない不穏さと虚無感を漂わせたその家に、3人の男女がいるのが電車の中からわかりました。しかし“私”は、その3人の姿からなぜか違和感を覚え、そのうち奇妙なことに気付くのです。 
 表題作の『歩道橋シネマ』を含む、ミステリーやホラー色が強い短編小説です。
(Y.U)
逃げ地図づくりプロジェクトチーム/編著 
ぎょうせい


 地震や大雨などの自然災害は、日本に住んでいる以上、逃れることができません。伊万里市でも洪水や土砂災害についてのハザードマップ(避難地図)を作成し、閲覧できるようにしています。
 そのハザードマップを下敷きにした「逃げ地図」は、安全な場所に避難できる時間を可視化し、避難する人が自身で作成するものです。一人でも作成できますが、地域で作るとより一層災害弱者に目を向けられることでしょう。
 この本では、逃げ地図の作り方を解説するとともに、地域や学校、災害の種類別での作成の仕方を掲載しています。地域でのコミュニケーション、防災活動の一歩前進として是非おすすめしたい本です。
(A.K)
『極限メシ!』『幕末・明治と伊万里の人』
西牟田 靖/著  ポプラ社

 本書は自ら極限の世界へ挑戦する人、意思とは関係なしに極限状況に陥り、生還した人々が極限状態の時にとった食事を「極限メシ」と名付け、インタビューをしたものをまとめています。そこには想像もつかない過酷な現実がありました。
 私たちの社会環境や食生活は大きく変わり、日本人の多くは食べたい時に食べたいものを自由に手に入れることが出来ます。そんな時代に生きる私たちが窮地に陥った時に、食に対してどんな事を思い、どんな行動をとるでしょうか。
 極限の世界は日常に潜んでいて、明日その日が来るやも知れません。食べること、そして生きることと向き合う機会を与えてくれる一冊です。
       (Y.O)
伊万里市郷土研究会/編 伊万里市

 幕末から明治にかけ激動の日本を生き抜き、志高く活躍してきた偉人たち。私たちのふるさと伊万里にも、変革の波にのまれながら、それでも立ち上がり、行動を起こしてきた人がいます。
 焼き物屋からやがて菓子王になった、森永太一郎。第26代衆議院議長に選ばれた、川原茂輔。福沢諭吉に認められ上京し、やがて大財閥を築き上げた藤山雷太、などなど…。
 明治維新150年記念事業で、歴史民俗資料館において開催された「幕末・明治と伊万里の人」展を、より詳しく、より深く、より広く学ぶ一冊です。
(Y.N)