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おすすめの本
 

No.665 平成31年11月

『ノワールをまとう女』『魔法使いの教科書』
神護 かずみ/著  講談社 

 企業の炎上事を消す仕事をしている奈美。今回、ボスである原田から日本トップクラスの医薬品メーカー「美国堂」のトラブル処理を請け負うことに。 
 実は美国堂新社長の方針により、総会屋から転身した原田たちを排除していたのですが、今回、美国堂に対するデモが拡大をしつづける事に危機感を抱き、また原田や奈美たちにトラブル処理を依頼してきたのでした。
 早速、デモを指導する団体に偽名で潜り込んだ奈美はリーダーに近づきます。そこでリーダーから仲間として紹介されたのが、児童養護施設で共に暮らし、再会後は恋人同士となっていた雪江だったのです。  
 雪江の目的はなんなのか?動揺する奈美は、任務を遂行しつつ、自分がまだ知らされていない真実を知るために再度動き出します。
 第65回 江戸川乱歩賞受賞作です。
(A.U)
オーブリー・シャーマン/著 龍 和子/訳 
原書房   

 みなさんも子どもの頃に魔法使い憧れたことはありませんか。その時の魔法使いはどのような恰好で、どんな魔法を使っていたでしょうか。昔話や物語の中に登場する魔法使いは多種多様ですが、この本では古今東西の魔法使いを取り上げ、魔法の世界や色々な魔法使いについて解説しています。
 『アーサー王と円卓の騎士』に登場する魔術師マーリンをはじめ、日本にRPGブームを引き起こした『ダンジョンズ&ドラゴンズ』などのキャラクター、また、小説『指輪物語』から最近の『ハリー・ポッター』シリーズの登場人物までを紹介しています。
 光と闇になぞらえて善と悪の象徴として描かれる魔法使いの魅力をたっぷりと語ってくれるまさに「教科書」です。 
(K.S)

『どんな災害でもお金とくらしを守る』

『新しいタンパク質の教科書』
清水 香/著   小学館クリエイティブ

 「ここは昔から地震のない土地でね」「水害?これまで起きたことはないから」…等、こんな会話をしたことありませんか?「災害に遭遇したくない」、心の奥にそんな願いを誰もが持っているからでしょう。
 しかしながら昨今、政府予測で地震が発生する確率が低いところでも地震は起き、地球温暖化の影響で、思わぬところで水害の被害が出ていたりします。
 この本では、「被災直後の疑問」、「生活再建に向けた問題」、「災害に備えてやっておくべきこと」を一問一答で分かりやすく解説しています。災害について不安を抱く前に、一読しておきたい本です。
     (A.M)
上西 一弘/監修  池田書店

 タンパク質は筋肉をつくるためのものだとイメージしがちですが、髪や肌、ホルモンやメンタルなど、命を維持することそのものと言えるほど人体のほぼすべての機能にかかわっています。そのため、医療や介護など様々な分野で、その重要性が見直されているそうです。
 一方、現代人のタンパク質摂取量は戦後まもない頃と同水準で、不足している人が増えているとのこと。では、どのように摂取すればよいのでしょうか。
 
 健康な心と体をつくるために誰もが必要な栄養のこと、学んでみませんか。
(R.K)
『カエルの小指』『探検家とペネロペちゃん』
道尾 秀介/著  講談社

 元詐欺師の竹沢武夫は、口の上手さを生かし実演販売士として真っ当な生活を送っていました。そんな彼の前にキョウという中学生が現れ、実演販売のやり方を教えてほしいと頼んできます。その依頼の真相を知り、竹沢はキョウの願いを聞き入れ、彼女を窮地に追いやった連中への仕返しに乗り出しました。
 2008年に刊行された『カラスの親指』の続編で、個性あふれる登場人物とどんでん返しのストーリーに引き込まれる小説です。
(Y.O)
角幡 唯介/著  幻冬舎

 ヨットで太平洋を航海したり北極圏を徒歩で踏破したりする探検家が父親になって書いたエッセイです。
 子どものことを嬉しそうに語る父親たちを見るたびに、そうはなりたくないと思っていましたが実際に子どもができてみると、それを語りたくて語りたくて仕方がなくなりました。
 娘と離れてグリーンランドに旅立つ時は、魂が引き裂かれる思いをし、滞在中娘とスカイプで話すために20万円以上の通信費を使いました。
 冒険の様子は一切なし、ひたすら「格別な美貌」「天才性」「誰が見てもかわいい」と親ばかぶりを発揮した一冊です。
(N.K)