平成30年1月号



アーノルド・ローベル/さく こみやゆう/やく 好学社

 マスターさんは、てんきのいいひは いつもおきにいりの どうぶつえんへ でかけます。
マスターさんは、どうぶつがだいすき。どうぶつたちも マスターさんがだいすき。
ぞうはパオーン、ライオンはガオーッ、やかましくないて マスターさんをでむかえます。
どうぶつえんがしまるじかんになると、マスターさんもどうぶたちも さようならをするのが いやでした。
あるひしいくがかりのおじさんが うとうとしていると、ぞうが かぎをこっそり ぬきとったのです。
そのよる、どうぶつたちみんなで むかったところは…。
  えほん



渡辺洋子/編・訳 野田智裕/絵 こぐま社

 山(やま)のおくに、プーカの谷(たに)とよばれるところがありました。プーカはすぐにあの世(よ)にいけず、大(おお)きな犬(いぬ)や馬(うま)のすがたで人間(にんげん)の世界(せかい)をさまようゆうれいのことです。
この谷のプーカはまっ黒(くろ)な長(なが)い毛(け)の大(おお)きな犬で、みんなはとてもおそれていました。谷を一人(ひとり)で歩(ある)く人(ひと)は、めったにありません。
ある日(ひ)、コノールはじてんしゃで村(むら)に買(か)いものにい きました。店(みせ)からでるとじてんしゃがなくなっていました。さがしましたが、どこにもありません。おもいにもつをもち、山道(やまみち)をのぼっていきました。
谷川(たにがわ)の石(いし)のはしがちかくになると空気(くうき)がつめたくなり、うしろからヒタヒタと足音(あしおと)がきこえて…。
  低学年から



茂市久美子/作 よしざわけいこ/絵 講談社

 バジルは七魔(ななま)が山(やま)に住(す)む魔女(まじょ)です。バジルと七魔が原(はら)の魔女たちは得意(とくい)な力(ちから)を持(も)ち、魔法(まほう)のつえで、ひとに力(ちから)をおくることができます。魔女たちの力は「幸運(こううん)」「勇気(ゆうき)」「希望(きぼう)」「才能(さいのう)」そして「健康(けんこう)」で、白(しろ)い魔法といわれ人気(にんき)がありました。
おなじ魔法でも、バジルの魔法は「努力(どりょく)」「根気(こんき)」そして「若(わか)いときの苦労(くろう)」で、地味(じみ)であまり人気(にんき)がありません。「若いときの苦労」は、バジルだけが使(つか)える黒(くろ)い魔法です。
ある日(ひ)、バジルにクリスタル国(こく)の女王から手紙(てがみ)がとどきます。それは「成人式(せいじんしき)で若者(わかもの)たちに、バジルの力の努力や根気)と、若いときの苦労をさずけてほしい」というものでした。
大魔女(おおまじょ)のフェネルと一緒に行(い)くことにバジルとてもよろこんで…。
  中学年から



大久保雨咲/作 陣崎草子/絵 講談社

 階段(かいだん)をおりて台所(だいどころ)の前(まえ)までくると、ばあさまは「なにをしにきたんじゃろう。」と思(おも)いました。もといた場所(ばしょ)にもどれば思(おも)い出(だ)すかもと引(ひ)き返(かえ)しましたが、思い出せません。階段を見(み)あげると、中(なか)ほどに青(あお)い着物(きもの)の女(おんな)の子(こ)が、ちょんとすわっています。女の子はあわてて「これは、わたしのうっかりの玉(たま)よ」と言(い)い、こがね色(いろ)をした玉をかくしました。それは、ばあさまが忘(わす)れた用事(ようじ)がうっかりの玉となり落(お)ちてしまったものでした。ばあさまは「返(かえ)してくれんか」と手(て)をさしだしましたが、女の子は返してくれません。ばあさまがにらむと女の子は、ほたぁん、となみだを落(お)としはじめたのです。そこで、ばあさまは…。
  高学年から