コラム

令和4(2022)年 新年のごあいさつ

 新年あけましておめでとうございます。
 旧年中は、伊万里市民図書館をご利用いただき、誠にありがとうございました。

 私たちは、今まさに「Withコロナ」の時代を生きています。見えない敵との闘いも2年目ともなれば、正しく恐れて適切に行動していくことが少しずつ身についてきているように思います。実際、図書館でも昨年は、感染対策を配慮して新たに開発した事業や、やり方を工夫して実施した事業が多くありました。また、館内の集会室等を利用される団体の皆様も、細やかな配慮のもとにイベントを開催されるなど、それぞれ知恵と努力を重ねておられます。

 さらに、昨年はたくさんの企業や団体・個人から、寄付や奉仕活動等のボランティアを行っていただき、誠にありがとうございました。伊万里市民図書館が、市民との協働のもとに成長を続けていることに、改めて感謝申し上げます。どんな状況下にあっても、図書館は利用される皆さんの知的自由を確保する生涯学習の拠点であり続けたいと願っています。現代のように人が集う事すら困難な時代だからこそ、市民と行政との協働によって、その使命を果たしてまいりたいと存じます。

 どうぞ本年も、伊万里市民図書館をよろしくお願い申し上げます。職員一同、皆様のご利用を心からお待ち申し上げております。

 (館長 鴻上哲也)

イマリペディアン

 インターネットの百科事典ウィキペディアを利用している方は多いと思います。世界中のボランティアによって5500万項目以上の記事が作られています。
 伊万里では、市内の文化財や人物・観光などについての記事を作成するボランティアを「イマリペディアン」と名付け、その養成セミナーを開催しました。高校生から高齢者までのメンバーがともに学び、その成果として「山ン寺遺跡」の記事を作成・投稿していますのでぜひご覧ください。
 「調べてわかったことを、整理して発信する」。とてもシンプルですが、人が学ぶことの大切さが凝縮されていると思います。図書館を使った新しい学びの形といえるでしょう。(館長 鴻上哲也)

<佐賀新聞 令和3年12月27日付「いすの木のもとで」より>

伊万里ミントの会

 図書館を使ってもっとワクワクしたい市民が集まって「伊万里ミントの会」が、今年発足しました。市民の「ミン」と図書館の「ト」で「ミント」です。
 コロナに対抗して暮らしの中に学びと出会いを取り戻すため、リレー講演会「森羅万象物語」と、ウィキペディアに投稿する技術を学ぶ「イマリペディアンセミナー」を企画して参加者を募集されています。講演後のブックトークや文献調査を組み込んでいる点が図書館を活用した特色です。
 図書館は、市民との協働で絶えず進化を続ける有機体であると言われますが、まさにそれを実体化した取り組みでしょう。(館長 鴻上哲也)

<佐賀新聞 令和3年11月29日付「いすの木のもとで」より>

「まちかど絵本館 えほんのたね」

 「うちどく」ってご存知ですか?家庭での読書により親子のコミュニケーションを深める実践で、県内各地でさまざまな広がりを見せています。
 伊万里市では黒川町が先進地ですが、先月「まちかど絵本館 えほんのたね」が始まりました。使われなくなった公衆電話ボックスに本棚を作り付け、町民から提供された絵本を配置し、いつでもだれでも自由に借りて読めるようにしたものです。町内8か所に設置されました。
 子どもも大人も絵本に触れ合う機会を増やそうとボランティアの皆さんが企画され、行政との協働で実現しました。市民の皆さんの善意に支えられた「えほんのたね」が大きく育ちますように。(館長 鴻上哲也)

<佐賀新聞 令和3年11月2日付「いすの木のもとで」より>

特別整理休館中の蔵書点検

 多くの図書館で、年に1回程度、館内すべての本や雑誌等の所在や不備を確認する「蔵書点検」が行われています。今年度、当館では10月4日から11日まで休館して、全職員総出で40万冊を超える本との「格闘」の日々が始まりました。
 現在1階の公開書架にとりかかっています。一人一台「メットセン」とか「ハンディ」とか呼ばれるバーコードの読み取り機械を使って、一冊ずつ本をなぞっていきます。早い人だと1時間で1,000冊という猛者もいますが、書架の高い所や低い所、絵本や図鑑などの大きい本などが集まっている所では、ベテランでも難儀します。
 期間中、ご利用いただけないのはとても心苦しいのですが、この作業を通して、「あるべき所にお探しの本がある」使いやすい図書館が維持できるのです。しばらくの間、ご辛抱ください。

蔵書点検