図書館の書架の間を歩いていると、思いがけない本や忘れられない本と巡り合うことがよくあります。
インターネットを使えば、欲しい本がすぐに手に入る時代ですが、自分の経験とカンを頼りに面白そうな本を探す。特に目的もなく、ゆっくり時間をかけて、本の森を散策するのは、ぜいたくな休日の過ごし方とも言えるでしょう。
今でこそ、読書の好みが確立している人も、最初は友達から紹介してもらったり、立ち読みした作家にハマったりしたところから始まったのではありませんか?
偶然の本との出会いが、あなたの人生をより豊かなものにするかもしれません。本とのときめく出会いを、図書館でお楽しみください。(館長 鴻上哲也)
<佐賀新聞 令和3年5月31日付「いすの木のもとで」より>