コラム

ちょっといい話

 ちょっといい話を耳にしました。当館の職員が所属している社会人の読書グループに、新しく高校生が入会した時のことです。
 「先輩」たちの読書量に圧倒されたその生徒が「まだ全然、本を読んでいないので恥ずかしいです」と言ったところ、メンバーのお一人が「うらやましいなあ。それはまだこれからたくさん楽しみがあるってことだよ」と返されたそうです。
 若者の読書離れがよく問題になりますが、本を読んでいないという子どもに「頑張って読みなさい」ではなく、こんなかっこいい言葉掛けができる大人って素晴らしいですね。身近な大人は、子どもにとって最も影響力の強い読書環境です。(館長 鴻上哲也)

<佐賀新聞 令和3年3月8日付「いすの木のもとで」より>

「友の会」フレンズいまり

 図書館にはボランティアの方が、さまざまな分野で関わってくださっています。伊万里市では、建設計画の段階から市民と行政の「協働」で取り組まれてきたので、現在でもイベントや環境整備、清掃美化、広報PRなど、図書館の運営はボランティア抜きに語れません。
 さらに、各種ボランティア団体の緩やかなネットワークのもとに、図書館の活動への「協力と提言」を行う「図書館フレンズいまり」という、いわば「友の会」も組織されています。一定の緊張関係を保ちながら、図書館活動を共に楽しむパートナーが存在することによって、市民はより豊かな図書館ライフを満喫できるのです。(館長 鴻上哲也)

<佐賀新聞 令和3年2月8日付「いすの木のもとで」より>

令和3(2021)年 新年のごあいさつ

 新年あけましておめでとうございます

 旧年中は、伊万里市民図書館をご利用いただき、誠にありがとうございました。
 見えない敵との1年間は、できる限りの感染防止対策をとりながら、公共図書館としてのサービスに努めてまいりました。現在も一部の利用制限などにより、ご不便をおかけしていますが、皆様のご理解とご協力をいただいておりますことに、館員一同重ねて感謝申し上げます。

 このコロナ禍によって、はからずも私たちは急激な変革の時代に生きていることを再認識しました。 これまで経験したことのなかった新たな習慣や文化にも、適切に対応していくことの大切さも痛感し、 行動を起こしてもいます。しかし、それと同時に変えてはならないもの、失ってはならないことへの思いも深くしています。
 どんな状況にあっても、図書館は利用者の皆様の知的自由を確保し、民主主義の砦となる存在であり続けるために、今年もより一層努力して参ります。
 しばらくはWithコロナでの図書館サービスを継続することとなりますが、さらなるご協力をお願い申し上げます。

 どうぞ本年も、皆様の伊万里市民図書館をよろしくお願い申し上げます。
 職員一同、皆様のご利用を心からお待ち申し上げております。

(館長 鴻上哲也)

今年も「本の福袋」

 この時期、多くの図書館で「本の福袋」が人気です。当館でも、15日から大人用と子ども用に分けてそれぞれ70セットずつを提供しています。
 今年は、感染症対策で①テーマの書かれたカードを提示②気に入ったカードを取ってデスクに提出③個別包装の福袋と引き換え―といった流れでお渡しします。袋の中には、図書館員お薦めの本が3~5冊。ご愛顧に感謝してささやかなプレゼントも入れています。
 好きなジャンル以外の本って、なかなか手が伸びませんよね。あなたと新しい本との出合いを願う、遊び心の企画の一つです。(館長 鴻上哲也)

<佐賀新聞 令和2年12月15日付「いすの木のもとで」より>

アクセス自由のネット図書館

 「青空文庫」ってご存知ですか?著作権が消滅した作品や、作家が「自由に読んでもらってかまわない」とされたものなど、約1万5000点以上の作品が収録されているインターネットの図書館です。
 パソコンやスマホなどで、誰でも自由にアクセスでき、作家別・作品別・分野別で簡単に検索して、無料(通信料のみ)で読むことができます。この活動は、原稿の入力や校正など、すべてボランティアの力で成り立っています。
 ホームページには「多くの人に、快適に作品を味わい、自由にファイルを使ってもらうことは、この場を整えている私たちの願いです」と記してありました。外出がはばかられる時は、「青空文庫」(https://www.aozora.gr.jp/)を活用されてみてはいかがですか。(館長 鴻上哲也)

<佐賀新聞 令和2年11月16日付「いすの木のもとで」より>