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おすすめの本
『ライフログ分析官』  
我孫子 武丸/著  光文社

 身につけたデバイスから契約者の「生の記録」を映像、音声としてクラウドに送信し続けるシステム“ライフログ”が普及している世界。検察庁の特別事務官である高藤望の仕事はライフログの分析を行うことでした。被害者のライフログから犯人の特徴を割り出すことが可能になった一方で、ライフログの普及に分析官の数が追いついておらず、また殺害被害を追体験するかのような分析官の仕事はメンタルを病むものが多く過酷なものでした。AIやVRなどが発展した世界でどのように犯罪捜査をしていくか必見のハイパー・サスペンス小説です。
(S.M)
 
『本を読めなくなった人たち』

稲田 豊史/著  中央公論新社


 かつては読書が好きだった人も、「本を読めなくなる」という現象が起きます。ドラマは倍速視聴、ショート動画で端的な情報だけ得る、など「コスパ」「タイパ」重視の世の中になると、自分で考えることを放棄して情報の取捨選択ができなくなり、与えられるものだけを享受するようになってしまうのです。効率良く情報を得ているつもりが、いつの間にか長文を読むことが苦手に…なんて心当たりがある方もいらっしゃるのでは?
 読めなくなる社会的要因や当事者への取材を通して、これからの活字との付き合い方を考えていきます。

(A.K)
 
『エデンの裏庭』
吉田 篤弘/著  岩波書店

 本書は2部で構成されています。前半は、「物語の舞台袖」と題して、だれもが子どもの頃に出会った作品(星の王子様・モモなど)の書評と創作を合わせた短編小説4編。後半は、それらの4つの物語に共通する「冒険」をテーマにした物語で、実は著者がデビュー前に、別名義で発表した幻の作品の続編でもあります。
 原作を思い出しながら自分なりの余白を考えてみるのもよいかもしれません。これから読む本の余白を想像せずにはいられなくなる一冊です。

(S.T)
 
『気ままに楽しく!大人の女ひとり旅』
門賀 美央子/著  清流出版

 誰にも気を遣わずにひとりで旅行をしてみたい…!でもひとりで旅行するのは不安という方は多いのではないでしょうか。
 この本では、旅の計画づくりや旅先での食事方法、注意事項など、ひとり旅の仕方を著書の体験も交えて紹介されています。ひとり旅初心者はもちろん、ひとりで行き慣れているベテランが復習で読むのも、ひとり旅をしてみたい男性が参考に読むのもおすすめです。
 皆さんもこの本をお伴にひとり旅に挑戦してみませんか?

(R.K)
 
『3・11復興ふるさとの記憶を遺す希望の文化財』
山田 菜の花/著  淡交社

 土木工事を行う際、その土地に埋蔵している遺跡などの文化財の発掘調査を行うことが、文化財保護法で定められています。それは災害対応時にも適応されますが、調査の規模や文化財の取り扱いの判断は各自治体に委ねられています。
 本書は、東日本大震災と原発事故に見舞われた福島県の人々が、復興と文化財保護の狭間に揺れる日々を綴ったドキュメンタリーです。災害公営住宅の建設予定地から遺跡が発見され、その保存を巡って小さな町が揺れます。文化財も被災者の生活も守りたいという担当職員の思いが伝わらず、怒号と涙が飛び交った会議のその先に、福島の人々が選んだ答えとは。国も県も市町村も超えて、在野の人々のふるさとへの思いに胸を打たれる一冊です。
(S.S)
 
『ゆきどけ産声翻訳機 Best selection 100現代川柳アンソロジー』
暮田 真名/編著  左右社
 

 サラリーマン川柳やシルバー川柳などで、お茶の間に浸透した川柳。五七五の季語のないやつ、わかりやすいやつだよね。と思ってらっしゃる人も多いと思います。それも川柳の魅力の一つではありますが、「穿ち(真実を突く)」「おかしみ(ユーモア)」「軽み」が特徴とされているように、一読明快ではない表現の革新を試みるような句も存在しています。
 本書では、現代川柳を語る上で欠かせない重要な句を紹介。読み解く手引きになるよう鑑賞文をすべての句に付しています。想像している川柳とは全く違った姿に驚かされます。

(Y.M)