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おすすめの本
『物語じゃないただの傷』  
大前 粟生/著  河出書房新社

 後藤将生は若者を代表する大人気のコメンテーター。しかし後藤には過去の出来事がきっかけで、公共の場所にスプレーで落書きをしてしまう癖がありました。
 ある日、彼が落書きしているところを撮影した男・白瀬が現れ、その動画を盾に後藤を脅迫します。後藤の弱みを握った白瀬は彼の住むマンションに転がり込み、一か月間の共同生活を始めることに。最初は敵視していた2人も、一緒に生活する中で徐々にお互いのことを知り打ち解けあいます。そんな2人に待ち受けていた衝撃の結末とは…。多様性を認め合う現代に読んでほしい一冊です。
(S.T)
 
『日本語教師、外国人に日本語を学ぶ』

北村 浩子/著  小学館


 生粋の日本人でも難しいと感じる言語、日本語。そんな日本語を流暢に話す外国人はどのようにその技術を習得し、日本語にどのような思いをいだいているのか。元アナウンサーで現日本語教師の著者が、インタビューします。
 母国語よりも日本語が自分のメインになってしまったと語る韓国人ミュージシャンや、パフェの美味しさを表現する言葉にこだわるフィンランド大使館職員など、その経歴や思いは様々です。日本一知名度のある駐日大使をして、「『話せる』だけでは、それはコミュニケーションとは言えない」と言わしめる、日本語の奥深さと魅力を再発見してみましょう。

(S.S)
 
『東大卒、じいちゃんの田んぼを継ぐ』
米利休/著  KADOKAWA

  子どもの頃は、農業経営に苦しむ祖父の姿を見ていたからこそ「農家にはならない」と決意して東大へ進学。将来は大企業に就職することも考えていたその矢先に、農業廃業の危機に直面します。孫である著者は、「じいちゃんの米を守りたい」と祖父への思いや、これまで培ってきた稲作への技術が途絶えてしまうのをなんとかしたいと奮起し、SNSを活用して「年収15万円で米をつくっています。」と投稿したときの反応は凄まじく厳しいコメントも…。著者は、これからの農業で稼げることを目標に頑張っています。生きていくための食を真剣に考え、応援したくなる一冊です。
(Y.K)
 
『お墓、どうしますか?』
後藤 正巳/著  文芸社

 お墓について考えるようになるきっかけは、人それぞれでしょう。核家族化、少子高齢化、未婚者の増加など、時代とともに変化していくお墓事情。普段、お墓に関して漠然とした不安を抱えている人が多いと思います。「お墓、どうしよう」と悩んだら、ご家族と一緒にこの本を読んでいただけると、不安解消の一助になるはずです。自分や家族の落ち着き先を納得して決めることが大事です。
 これからお墓を建てる人、お墓を守っていく人、墓じまいする人、お墓についてこれまで考えたことのない人も読めるお墓の入門書です。

(S.K)
 
『四国 歩き遍路マニュアル』
中野 周平/著  西日本出版社

 四国遍路。それは四国各地にある八十八ヶ所の霊場を結ぶ巡礼の旅です。それは全長約1100キロの、世界でも稀な宗教の道でもあります。信仰や祈願、精神修行…。人々はただひたすらに歩き、自然に身をゆだね、仏に祈ります。
 これは、いつか歩き遍路をしたい人へのガイドブック。歩くルートから参拝の仕方、注意すべきマナーや観光情報まで、初めて挑戦する人にぴったりの完全マニュアルです。
 結願(けちがん)することを夢見ながら、まずはマニュアル読破から始めませんか?
(Y.N)
 
『長くなった夜を、』
中西 智佐乃/著  集英社
 

 関本環はコールセンターで派遣社員として働く38歳。理不尽なクレーマーや同世代の上司との隔たりに悩まされ、さらには家族との歪な関係にストレスを抱え、頭痛薬が手放せない毎日を送っています。
 威圧的な父親の言いつけを守り、現在も門限9時という息の詰まる生活を送る彼女にとって唯一の癒しは、妹の息子・公彦でした。しかし、愛情は徐々に不穏な執着心へと変化していきます。
 とうに限界を迎えていた環の心と身体、彼女は自分自身の人生を取り戻すことができるのでしょうか。

(A.K)