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おすすめの本
『名建築の見かた図鑑』  
後藤 真吾/著  河出書房新社

 人気観光地の建築を見ても、「何がすごいの?」「どこに注目すればいいの?」と思ったことがある人にこそおすすめしたい、名建築鑑賞のハウツー本です。
 本書では、建築を「様式」「思想」「パーツ」の3つの視点で紐解いていきます。屋根の重みを分厚い壁で支えていた時代から、やがて技術の進歩で大きな窓を設けることができるようになった流れを知り、華美な装飾からシンプルさに豊かさを感じるようになった時代の変化を理解できます。豊富な写真と絵によって、実在する世界中の建築の魅力に触れる一冊です。
(S.S)
 
『どうすればよかったか?』

藤野 知明/著  文藝春秋


 医学部に通う優秀な姉が統合失調症を発症。しかし、医師で研究者の両親は現実を受け入れず、姉を医療や社会から遠ざけました。その様子に疑問を抱きつつも家族を説得できなかった著者は、将来治療の助けになればと映像を学んだ経験から、23年にわたり家族を撮影。その記録はドキュメンタリー映画「どうすればよかったか?」として公開され反響をよびました。
 本書では、映像に収めきれなかった事情や胸中を綴っています。両親、姉、ともにこの世を去った今でも「どうすればよかったのか?」という問いはまだ続くという著者の言葉が胸に刺さります。

(Y.O)
 
『2222』
大山 淳子/著  講談社

 漫画家生活15年の風乃夕は、週刊「少年漫画人」で未来を舞台にしたSF漫画『2222(クアッドツー)』を連載しています。ロボットが主人公で人間が「悪役」という特殊な設定が人気を博し、読者アンケートは1位。一見順風満帆な人生を送っているかと思いきや、実際は引きこもりの「子ども部屋おじさん」でした。
 締め切りが迫る原稿を一気に仕上げ、泥のように眠りについた夕が目を覚ますと、なんとそこは漫画『2222』の世界。ヒーローとなった彼は、様々なキャラクターとの交流を通して成長していきます。

(A.K)
 
『ジャカランダの樹』
ガエル・ファイユ/著  早川書房

 フランス育ちの主人公ミランにとって、母の祖国ルワンダは遠い存在でした。しかし、1994年の虐殺を生き延びた少年と出会ったことで、世界観が揺らぎ始めます。彼は、実際にルワンダに何度も足を運び、人々の声に耳を傾けるうち、内戦による対立や暴力の記憶と、そこで生きた人々の心の揺れを知ります。分断と排除が、ごく普通の人間を耐えがたいほど残虐にすることを知った彼は、同時に人間の「生きる強さ」に力と希望をつかみ取ります。平和とは、和解とは何か?私たちが、排斥の道を取らないためにもぜひ読んでおきたい一冊。「第4回 日本の学生が選ぶゴンクール賞」を受賞した話題作です。
(T.K)
 
『ろうそくを吹き消す瞬間』
松井 玲奈/著  KADOKAWA

 本書は俳優でもある著者の何気ない日常をつづったエッセイです。尊敬する先輩俳優とのお仕事や休憩時間の過ごし方、551を初めて食べた話や歯医者の話など、芸能生活から日常を赤裸々に描いています。全部で47編収録されたキラキラした話から意外にも私たち一般人の生活と重なる話もあり思わず共感してしまいます。そして過去との向き合い方や幸せの感じ方は人それぞれだと思わせてくれます。
 あなたが感じた幸せを思い出しながら読んでみてください。
(S.T)
 
『夜が明けたら』
青波 杏/著  KADOKAWA
 

 2024年、小説誌の出版社で働く編集者のルルは、ある原稿を編集長から渡されます。そこには、1972年に学生運動で親友、りつ子を亡くしたジュンの日々が綴られていました。あまり気乗りしないルルですが、調べていくと当時の報道と原稿が違っていることに気づきます。真相を探るため、ルルはジュンの小説の舞台となった土地を訪ねることにしました。しかし、そこで見えてきたものは本当の自分自身だったのです。
 約50年前と現代。別々の時代を、もがきながらも生き抜く2人の女性の物語です。

(A.S)