カテゴリ:コラム

経過報告とご支援のお礼

 伊万里に生まれてきてくれた赤ちゃんに、愛とぬくもりに満ちた時間を絵本とともに過ごしてもらうブックスタート事業への寄附を集める「ガバメントクラウドファンディング」を開始して1ヶ月が経ちました。この間、多くの皆様から寄付の申し出や問い合わせをいただき、誠にありがとうございます。お寄せいただいた寄付金額も、3月19日時点で目標額100万円のおよそ3分の1(32万5千円)となりました。
 来館してご寄附いただいた方にお話を伺うと、「図書館にはいつもお世話になっているから」とか、「昔、ブックスタートのボランティアをやっていたから」、「香典返しで社会へのお礼をしたいから」、「クラウドファンディングに興味があったから」など、様々な理由を聞かせていただきます。いずれの方からも未来を担う赤ちゃんへの愛が感じられ、呼びかけをお願いする者としてありがたさと同時に身の引き締まる思いがします。
 募集期間は残り2ヶ月となりました。引き続き、寄附という形でのボランティアへの協力をお願いして参ります。あなたの温かいお志をお待ちしています。また、市外にお住いの方は返礼品もお受け取りいただけますので、ご家族やお知り合いへご紹介いただくと幸いです。

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令和3(2021)年 新年のごあいさつ

 新年あけましておめでとうございます

 旧年中は、伊万里市民図書館をご利用いただき、誠にありがとうございました。
 見えない敵との1年間は、できる限りの感染防止対策をとりながら、公共図書館としてのサービスに努めてまいりました。現在も一部の利用制限などにより、ご不便をおかけしていますが、皆様のご理解とご協力をいただいておりますことに、館員一同重ねて感謝申し上げます。

 このコロナ禍によって、はからずも私たちは急激な変革の時代に生きていることを再認識しました。 これまで経験したことのなかった新たな習慣や文化にも、適切に対応していくことの大切さも痛感し、 行動を起こしてもいます。しかし、それと同時に変えてはならないもの、失ってはならないことへの思いも深くしています。
 どんな状況にあっても、図書館は利用者の皆様の知的自由を確保し、民主主義の砦となる存在であり続けるために、今年もより一層努力して参ります。
 しばらくはWithコロナでの図書館サービスを継続することとなりますが、さらなるご協力をお願い申し上げます。

 どうぞ本年も、皆様の伊万里市民図書館をよろしくお願い申し上げます。
 職員一同、皆様のご利用を心からお待ち申し上げております。

(館長 鴻上哲也)

最小投資で最大効果

 昨年度末から現在に至るまで、新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、皆さまには何かとご不自由・ご不便をおかけして申し訳ありません。マスク着用や座席間隔などさまざまな制限をお願いしていますが、快くご協力いただきありがとうございます。また、中には「大変ですね」「ご苦労様です」とあたたかい言葉をかけてくださる方もおられて、大いに励まされています。あらためてお礼申し上げます。まだしばらくは、警戒を緩めるわけにはいきませんが、皆さまの安全・安心を確保して図書館サービスができるよう努めてまいりますので、引き続きご協力いただきますようお願いします。

 さて、伊万里市民図書館は今年で開館25周年を迎えました。当時の資料を読み返していると、開館の1年前、職員と市民の代表5人がアメリカまで図書館の先進地視察へ出かけておられました。かなり気前の良い時代であったとはいえ、図書館づくりにかける市民の熱い思いがバックにあったことは疑いのないところです。その報告書の中の一文に目が留まりました。そこには「アメリカでは、本は図書館から借りて読むもの」というのが常識だということが記されていました。

 今や、インターネットを使えば1日で新刊が自宅に届く時代。わざわざ、図書館にまで足を運んで本を借りるという人は、もう珍しいのかもしれません。ある常連さんに月に何冊くらい読まれるのか尋ねると、「10冊くらいですかね。」との返事がありました。読書家にとっては必要な自己投資であり、生きがいでもあるだけに、このペースはくずせないでしょう。とはいえ、読みたい本を全部購入するとしたら、たいそうな出費です。1冊平均2,000円ぐらいとしても、月に20,000円、年間では240,000円もかかります。しかし、市民が払った税金で図書館は運営されていますので、伊万里市民は読書に関しては最小の投資で最大の効果を得ていることになります。むしろ、使わないでいるのはあまりにもったいない話です。

 当館所蔵の約39万冊はすべて市民のものです。人間でいえば今年で25歳となって、青年から大人へと成長を続ける伊万里市民図書館を、これからも皆さまのくらしのお役に立たせてください。

(館長 鴻上哲也)