『15歳の昆虫図鑑』
五十嵐 美怜/著 講談社
「わたしとも遠藤さんともうまくやってる 鈴木さんは、アメンボに似てる」(八方美人)
地方から東京に転校してきた、虫オタの「吉岡蛍子」が、悩みを持つ4人のクラスメイトの魅力を「昆虫」にたとえます。思春期や多様性の悩みが昆虫の多様性にうまく絡むところが見どころです。蛍子だけだった夏休みのホタルのボランティアにはクラスメイトたちが次第に集まっていき…。周りから異様に見られても、好きなものを貫く彼女の姿勢は、10代ではなくてもまぶしく感じます。
『正しい目玉焼きの作り方 きちんとした大人になるための家庭科の教科書』
森下 えみこ/イラスト 毎田 祥子 他/監修 河出書房新社
「家庭科」は受験科目でもないし、なんとなく授業を受けている人や苦手意識を持つ人もいるのでは?だけどそれじゃあもったいない!なぜなら、これほどあなたの毎日に深く関わる科目はないからです。一人でも、誰かと暮らす時でも、基本の“き”を知ることで、暮らしをより心地よく豊かなものにすることができます。今回の増補版では、衣食住の基本に加え「家庭生活」や「家庭科を学ぶ意義」についても解説され、自分のこれからの生活についてさらに深く考えるきっかけをもらえそうです。
家庭科にただひとつの正解はありません。自分だけの「正しい目玉焼きの作り方」を見つけ出してみませんか。
『正しく疑う 新時代のメディアリテラシー』
池上 彰/監修 Gakken
テレビやネットの予告動画にワクワクして実際本編を見ると、インパクトのある部分だけが切り取ってあり、拍子抜けした経験がありませんか?マスメディアの情報は作成者の存在を想像しづらいですが、すべてのメディアの裏には必ずそれを作り編集する「誰か」がいます。いまや誰もが発信者になれる時代。便利なメディアは簡単に人の気持ちを誘導することができます。何が正しいのか、正しいとは何なのか。情報の受け取り方にもコツが必要です。本書は情報との向き合い方、発し方を、マンガやイラストでわかりやすく紹介します。
『もしぼくが鳥だったら パレスチナとガザのものがたり』
ファーティマ・シャラフェッディーン/文 アマル/絵 片桐 早織/訳 ゆぎ書房
「あの人たち」に家をおいだされた「ぼく」のお話です。「ぼく」の家はパレスチナという名前のところにありましたが、国を追い出され…。高い壁にかこまれた場所「ガザ」で暮らさなければならなくなった少年は、かつて自分が住んでいた場所で「あのひとたち」が楽しそうに暮らしていることに憤りを感じます。1948年につくられた「イスラエル」。パレスチナの人たちはふるさとを失いました。およそ80年も前のことですが、未だに争いは続いています。