令和7年11月号
 『思いがけず、朝子ちゃん』
 
 高村 有/作   童心社

    人間関係に疲れ会社を辞め、ぶらぶらとしていた朝子は、祖母の営む花屋「ミヤマ花壇」の手伝いを頼まれます。そんな朝子と出会った小・中学生人たちとのお話です。第二木曜日に行われる私服登校の日「カジュアルデー」に個性を出せず悩む中学生や、自分の思いを伝えたことで無視をされてグループを外された小学生。それぞれの悩みを抱えた子たちが、自分を改めて見つめなおし、前向きになっていくお話です。周りの目が気になっても、それが自分なのだ。「堂々と胸を張る」こと。 自分に自信が持てない人、変わりたいと思っている人に背中を押してくれる一冊です。

 
 


『パラコードストラップ100』

 
  メルヘンアートスタジオ/著 文化学園文化出版局

 パラコード」とは、パラシュートコードの略で、もともとはパラシュートの傘と人とをつなぐ役目を持つとても丈夫なひものことです。アウトドア活動で活躍するだけでなく、最近はスマホのストラップなどのファッションアイテムとしても人気が高まってきています。本書では、そんなパラコードストラップの多種多様なデザインと作り方を100種類紹介しています。押しカラーでつくるもよし、デザイン性で周りと差をつけるもよし。読書の秋の合間に、作って楽しむ芸術の秋はいかがでしょう?


 


『書けないんじゃない、考えてないだけ。』

 
 かんそう/著  サンマーク出版
 
 ―すべての文章は「本気出して考えた時間」で決まるー はい。今これを書いている自分に言われているような気 持になります。もちろん時間はかけています!トップブロガーだった、かんそう氏の著書です。誰かに発信する時は、きれいな文章よりも、感情を載せた方が伝わりやすいそうです。気持ちや感動を言葉にするために「自分の中に『イマジナリー秋元康』を飼う」というところが印象的でした。さすが、トップブロガーさん。読者のひきつけ方も上手く、文章の勉強以前に、読み始めたら止まりません。文章を生成AIに頼る時代に突入しかけている今、自分で書くことの大切さや面白さに気づけるかもしれません。





『イラスト図解中華後宮事典』

 
 柿沼 陽平/監修 河出書房新社

 中華ファンタジーといえば、毒が大好きな天才薬師の女の子のお話が有名ですね。ピンチにイケメンが助けてくれる、なんともうらやましい話です。小説は図書館にあります。宮殿、きらびやかな衣装、権力、陰謀、嫉妬などなど、中国の宮廷の物語をさらに楽しむ為にあるとうれしい一冊。本書では、中国の宮廷世界に特化した事典として、実際の歴史や制度、文化に基づいた情報がイラスト付きで分かりやすく解説されています。日本の古典にも後宮は出てきますが、建物、物、食べ物、報復などなど、中国のスケールの大きさに圧倒されます。