『あたたかな手 なのはな整骨院物語』
濱野 京子/著 偕成社
人に触れるのが苦手な春哉は回り道をしながらも柔道整復師という職業に辿り着き、なのはな整骨院で働いています。そこに肘を痛めた野球少年から重病な姉をもつ少女まで、様々な患者がやってきます。先輩やアルバイトの女の子、お花係の小学生。たくさんの人たちとのつながりに、温かい気持ちになれる一冊です。新米の柔道整復師ながらも、主人公は人と真摯に向き合い寄り添います。しかしそのためには苦手なことを乗り越える努力もあり、最後の章は何気なさの中にも彼のやさしさが伝わってきます。
『バスカヴィルホールのありえない物語』
アリ・スタンディッシュ/著 代田 亜香子/訳 ポプラ社
「名探偵シャーロックホームズ」の作者、アーサー・コナン・ドイルの少年時代のお話という設定です。貧しい家庭環境で育ったアーサーはある日、突然倒れた女性とその子供を、類まれな洞察力と瞬時の判断で救います。それを一部始終見ていた英国風の紳士に声をかけられたことがきっかけで、優れた才能を持つ子供のための学校「バスカヴィルホール」への入学の切符を手に入れます。行動力のあるアイリーンや、素晴らしい頭脳を持つジミーとの出会い。そして彼らを待ち受ける謎の数々。バスカヴィルホールは普通のエリート学校ではなく、実は謎めいた奇妙な場所のようです。
『宇宙でウンチ』
A.ボンドー=ストーン&C.ホワイト/作
L.ケンセス/絵 千葉茂樹/訳 あすなろ書房
生理現象として、排せつは必ずあるものです。では、宇宙空間ではどうやって用を足すのか?最初に宇宙へ飛び立った宇宙船「フリーダム7」には飛行予定時間が15分だったため、トイレがなかったそうです。しかし、飛行が長引いて船員は4時間以上宇宙船に閉じ込められたそうです。無重力状態で普通に排せつするとどうなるのでしょう?そう、排泄物も人間と同じで浮きます。宇宙の謎を解き明かすためには、現地に何日も滞在しなければいけません。さあ、今最新の宇宙船でのトイレ事情をチェックしてみませんか。
『ぼくたちはchat GPTをどう使うか』
大内 悟史/著 筑摩書房
「chatGPT」とよく聞くけれど、実際に使った中学生はどのくらいいるのでしょうか。本当に便利な機能ですが、本書によれば、学力を伸ばす可能性がある「いい使い方」と、頭を悪くする危険性がある「悪い使い方」があるようです。また、使った後に、情報がまちがっていないか、裏付けはをとることも必要です。これからの時代を生きるみなさんは、新しい技術と向き合うことがたくさんあります。AIが発展しても扱うのは人間です。学ぶことをあきらめず、ぜひ「効率よく使いこなせる」側になってください。