お知らせ
 『Q世代塾の問題児たち』
 
 石川 宏千花/作    理論社

    小学校6年の女の子、空乙(そらお)は、片思いをしていた男子から「ルッキズムも知らないんだ」と言われたことを恥ずかしく思い、塾に通うことを決意します。ある日「受験が目的ではない、世の中のことを教えてくれる、そんな希望をかなえてくれそうな塾はないか。」そうつぶやいていると、後ろから高校生に声をかけられ「Q世代塾(じゅく)」の募集チラシを渡されます。その塾はまさに希望通りのことが書いてあり、さっそく入ることにしました。なんと講師は高校生。生徒も子供からお年寄りまで。塾に通うにつれ、偏見(へんけん)とは何か、差別とは何か、少しずつ自分の頭で考えはじめ…。

 
 


『どうしたらいいかわからない時代に 僕が中高生にいいたいこと』

 
  内田 樹/著 草思社

 「どうしたらいいかわからない時代」とは、加速する人口減少や高齢化など、今まで私たちの国が経験したことのない現代の状況のこと。これから大人になるみなさんは、先生や親の経験によるアドバイスでは乗り切れない時代を生きていかなければなりません。そんな時代をどう生きていくのか。著者自身も分からないと打ち明けながらも、どのように今を受け止め頭を切り替えていけばいいのか、「正直かつ親切に」語っています。この本の内容を今すべて理解できなくても大丈夫。ヒントをつかんだあなたは実生活で成功したり失敗したりを繰り返しながら、これからを生きる力を自分で手に入れられるはずです。


 


『金色の切手とオードリーの秘密』

 
 オンジャリ Q.ラウフ/作 久保 陽子/訳    静山社
 
 お話の舞台はイギリスです。オードリーは母の介護をしていて、自身がヤングケアラーだということを秘密にしています。そんな事情を抱えながらも、親友のカヴィやイナラをはじめ、地域の人たちと温かい関係を築きながら明るく生きていました。しかしあることがきっかけで、オードリーは事件をおこしてしまいます。警察官の取り調べを受けながら、一生懸命自分の考えや事情を説明します。そんな彼女の話を警察官はきちんと受け止めてくれて…。人と接することが少なくなった現代ですが、「見守ってくれている人はいる」と、信じたくなる一冊です。





『獣医さんがゆく 15歳からの獣医学』

 
 浅川 満彦/著    東京大学出版会

 獣医師と聞くと、ほとんどの人が身近にある動物病院の先生を想像するはずです。しかし、それはごく一部にすぎず、競走馬や野生動物を診療する獣医師、食肉をまもる獣医師、医薬品開発に関わる獣医師まで、さまざまな「獣医さん」の現場があります。動物に興味のない人でも、獣医学の多様な役割と社会への貢献に、もしかすると自分の思い描いた職業に当てはまるかもしれません。私たちの生活に密接している獣医学の世界をのぞいてみませんか?ちなみに獣医大生のカリキュラムについての情報も載っています。