令和7年度8月
 
~ネパール・ヒマラヤのむかしばなし~「花売りセンパチュンチュン」
 
茂市 久美子/文 アヤ井 アキコ/絵 BL出版

 昔(むかし)、人のよいセンパチュンチュンという花売りと、よくばりなハンバチェンという男(おとこ)がいました。ある日、ハンバチェンがセンパチュンチュンに花のさいている場所(ばしょ)を教(おし)えます。そこはきりたったがけの下で、ハンバチェンのにぎるつなでおりるしかありません。たくさんの花がさいていて、すぐにセンパチュンチュンは花をつみはじめました。やがて帰ろうとするとハンバチェンがいなくなり、上にのぼるためのつなもなくなっていたのです。
 

 

「 ペンギンのトビオ」

斉藤 倫/作 うきまる/作 嶽 まいこ/絵 偕成社


 ペンギンのトビオはうまれてはじめて、ひこうきにのってたびにでかけます。トビオがたびにでようとおもったのは、二年まえにとどいたほっきょくのシロクマからのてがみです。トビオとシロクマはてがみを出(だ)しあうようになり、どのくらいさむいか、なにがおいしいか、いろんなことをかきました。村(むら)からりゅうひょうバスで一時間、くうこうにむかいます。トビオのトランクはこおりとさかなでいっぱいです。はじめてのくうこうはしらないことばかりでした。    
 
        低学年から

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「ツリーホーン、どんどん小さくなる」

 

フローレンス・パリー・ハイド/著 三辺 律子/訳 エドワード・ゴーリー/絵  東京創元社

 ツリーホーンがさいしょにおかしいと思(おも)ったのは、お菓子(かし)をかくした棚(たな)に手が届(とど)かなかったことです。次(つぎ)に、服(ふく)がぶかぶかになりました。縮(ちぢ)んだふりをしていると思ったおとうさんたちは小さくなったツリーホーンにおどろきます。ツリーホーンはどんどん小さくなっていきました。ある日、ツリーホーンはゲームの箱(はこ)を見ます。そこには「ビッグになりたい子のためのゲーム」と書いてありました。

 


「まほろ公園(こうえん)で、ふりむけば」

藤重 ヒカル/作 小日向 まるこ/絵 偕成社

 「まほろ公園」の「まほろ」とは昔(むかし)の言葉(ことば)で、すばらしい場所(ばしょ)という意味(いみ)です。この町が昔のようなすばらしい場所になるよう願(ねが)いをこめられました。今では遊(あそ)ぶ子のほとんどが、「まぼろし」とかんちがいしているようです。ある日、帰りがおそくなったトオルは図書室(としょしつ)をとびだします。学校から見えるまほろ公園のグラウンドには、黒(くろ)い背広(せびろ)や着物(きもの)を着(き)ているおかしな人だかりが見えました。それは結婚式(けっこんしき)でした。テレビの撮影(さつえい)と思って近づくトオルに「ケンちゃん」と声をかける大人がいました。