フィリップ・アーダ/文 デイヴィッド・メリング/絵 なかがわ ちひろ/訳 BL出版
ある日、ペニーがお父さんとまんいんでんしゃにのったときのことです。あれ?人と人(ひと)とのすきまから、しましまのしっぽがひょろりとのびているではありませんか。レインコートをきて、ぼうしをかぶっているけれど、どうみたってトラです。
ペニーはお父(とう)さんに「トラがいるよ」といいますが、お父さんはしんじてくれません。しましまで、けむくじゃらの足(あし)もみえているのに、お父さんは「あんまりじろじろみたら、しつれいだよ」というのです。
柏葉 幸子/作 高畠 純/絵 小峰書店
きょうは、一年(いちねん)にいちどのモンスターたちの〈おにごっこたいかい〉の日。みんながこの日を楽(たの)しみにしていて、ワクワク、ドキドキしています。中でも、いちばんドキドキしているのはミイラおとこ。はずかしがりやのこわがりで、ほかのモンスターと話(はな)すこともできないミイラおとこは、今年(ことし)、はじめておにごっこたいかいにさんかします。しょうひんの、てんぐのかくれみのをかりたいのです。しかし、ミイラおとこは体中(からだじゅう)にほうたいがまいてあるため、走(はし)ることがにがて。さいごまでおににつかまらずににげきることができるのは、いったいどのモンスターなのでしょうか。
「つくしちゃんとながれぼし」
いとう みく/作 丹地 陽子/絵 福音館書店
小学(しょうがく)二年生(にねんせい)のつくしは、同(おな)じクラスの男(おとこ)の子(こ)に色(いろ)えんぴつをかしたくありません。なぜなら、このまえかしたえんぴつは、はがたつきでもどってきたし、消(け)しゴムをかした時(とき)は、えんぴつでつついて、あなぼこだらけになってかえってきたのです。だから、その男の子に物(もの)をかすときは注意(ちゅうい)しなければなりません。大事(だいじ)に使(つか)うからとお母(かあ)さんとやくそくして、買(か)ってもらったばかりの色(いろ)えんぴつなのです。つくしは思(おも)っていることを言(い)えずに、とうとう男の子にかしてしまいますが…。
「朝読みのライスおばさん」
長江 優子/作 みずうち さとみ/絵 理論社
僕(ぼく)が通(かよ)っている小学校では、「朝読(あさよ)みタイム」という読(よ)み聞(き)かせの時間(じかん)があります。ボランティアのお母さんやお父さんが教室(きょうしつ)に来(き)て、本を読(よ)んでくれるのです。
ある日の朝読みタイムのこと。ドスドスと足音(あしおと)を立(た)ててやって来(き)たのは知(し)らないおばさん。イスにこしかけると、「では、はじめます」と言(い)って、紙芝居(かみしばい)を読(よ)み始(はじ)めました。大きな声でおはなしを続(つづ)けていますが、突然(とつぜん)立(た)ち上(あ)がったかと思(おも)うとラップを歌(うた)い出(だ)し、教室のみんなはあっけにとられるばかりです。はたして、そのおばさんの正体(しょうたい)とは?