令和7年度11月
 
~アラスカのむかしばなし~「よあけのはこ」
 
ボブ・サム/語り あずみ虫/絵 谷川 俊太郎/訳 あすなろ書房

 昔、はじめはお日さまも月も星もなく、暗がりにひとかたまりのヒトがすんでいました。ワタリガラスがりょうしたちから「ナス川の川上(かわかみ)に長老(ちょうろう)がすんでいて、きれいな娘(むすめ)がいる」という話を聞きました。長老はお日さまと月と星をそれぞれスギの箱(はこ)にしまって守っているというのです。ワタリガラスは長老の家へ行き娘を見つけます。ワタリガラスは箱をぬすむつもりでした。アラスカのクリンギット族に伝わる世界に光をもたらしたワタリガラスのお話。
 

 

「図書館のぬいぐるみかします3」~ぼくのねがいごと~

シンシア・ロード/作 ステファニー・グラエギン/絵 田中 奈津子/訳 ポプラ社


 ユニコーンのぬいぐるみは、なん週間もおもちゃやさんにいます。きらきら光(ひか)るピンク色(いろ)のしっぽで名前は「キラリ」。キラリは毎(まい)ばん「ずっとすめる家(いえ)に行けますように。」とねがっていました。やっとおばあさんがキラリを買(か)って帰ります。よろこぶキラリでしたが、外(そと)のテーブルでまた売(う)られることになったのです。そこへ図書館ではたらくアンがやってきて、キラリを買うことしました。「図書館のブック・フレンド」にキラリをしたいというのです。  
 

~山猫マルシェへようこそ2~「星空とまほうの時計」

 

茂市 久美子/作 ゆうこ/絵 あかね書房

 悠一(ゆういち)が天空村(てんくうむら)でジャムをつくりはじめて半年がすぎました。注文(ちゅうもん)はまだ山猫(やまねこ)マルシェからだけです。ある日、マルシェの山根(やまね)さんが「柱時計(はしらどけい)を修理(しゅうり)する人が時計屋敷(やしき)にいる」と悠一の家にやってきます。家には動(うご)かない古(ふる)い柱時計があり、ふたりは時計屋敷にむかいました。屋敷にはたくさんの古い時計がかかっています。うらの庭(にわ)には大きなゆずの木があり、悠一が思わず近よると、とつぜん、あかいトラネコのミカンがあらわれたのです。

 


「アリーチェと魔法の書」

長谷川 まりる/作 松井 あやか/絵 静山社

 私の家は小さな本屋(ほんや)で、夜空(よぞら)に黄色い月が浮(う)かぶと正真正銘(しょうしんしょうめい)の魔法使(まほうつか)いがやって来ます。魔法使いは本を買(か)うお客(きゃく)さんではなく、おばあちゃんに会いに来たのです。ある部屋に通(とお)されると、うちで保管(ほかん)している特別(とくべつ)な≪本≫を読むのです。お母さんたちは「魔法使いを信(しん)じてはダメ」と言いますが、私は魔法使いにあこがれていました。私は十三歳(さい)になると、この世(よ)にたった一冊(さつ)しかない魔法の≪本≫を守り、あとの世代(せだい)につなぐ仕事「守り手(まもりて)」になるのです。私の家は、正式(せいしき)な血(ち)のつながりが必要(ひつよう)な「守り手の一族(いちぞく)」だったのです。