予約について
 
おすすめの本
『わたしはわたし。あなたじゃない。』  
鴻巣 麻里香/著 リトルモア

 著者は、中高生の困りごとに向き合うスクールソーシャルワーカー。子どもたちが抱える人間関係の悩みや生きづらさについて、細やかな対処法を示しています。学校・家族・恋愛・友だち・SNSといった場面で起きがちなエピソードに基づいて、具体的な処方箋だけでなく、自力解決に必要な知識や情報も与えてくれます。大事なのは「わたしはわたし。あなたはあなた。」という心の境界線(バウンダリー)を引くこと。10代の子どもを想定して書かれていますが、大人も一緒に読みたい一冊です。
(T.K)
 
『「言ってしまった」「やってしまった」をリカバリーするコツ』
山本 衣奈子/著 日本実業出版社

 人間関係を円滑にするための伝え方指南本は数あれど、「言わないほうが良かった」ことを言ってしまった後の指南本はあまりないものです。
 そんな時に使える挽回の一言を、具体例を挙げながら教えてくれる本です。友人や職場の人相手に思わず言ってしまう、ありがちな言葉の数々。誰しもが持つコミュニケーションの悩み解決のヒントがもらえる一冊です。

(S.S)
 
『日記の練習』
くどう れいん/著 NHK出版

 原点は日記にあるという著者。連載された一年間の自身の日記を収めた一冊です。
 「日記を書きたいと思う気持ちを持ち続けている」それだけで日記として上出来だと話されています。その日食べた美味しいものや、筋肉痛になった自分への反省、一日のなかで記憶に残ったことを気負わず飾らない文章で書かれているので、著者の人となりを感じドンドン引き込まれていきます。
 「日記は死ぬまで勝手に続いていくものだ」といいながら、あとがきでは「連載が終わると日記はすっかり途絶えた」と書かれています。そんな素直な日記は、一日の出来事を友人から話を聞いているような気分にさせてくれました。

(Y.M)
 
『受援力』
町 亞聖/著 法研

 1991年当時18歳だった著者は、母親の突然の病に直面し、看病、家事、幼い弟妹の世話など全てを背負うことになりました。今でいうヤングケアラーでした。重度の障がい者となった母の介護をしながら、大学を出て念願のアナウンサーの仕事につきます。仕事と介護の両立は10年に及びました。そんな経験を振り返りながら、今まさに介護をしている人にとって何が必要かを本書で伝えています。
 困ったときに誰かに助けを求めることができる力「受援力」を発揮することが大切。著者自身が体験を踏まえて発する言葉には、力強さと優しさが詰まっています。

(Y.O)
 
『僕は猛禽類のお医者さん』
齊藤 慶輔/著 KADOKAWA

 著者は北海道釧路市にある「猛禽類医学研究所」で医師をしています。野生動物との出会いはフランス。6歳の時に日本から移住し、自然を身近に感じながら過ごした経験が今に繋がっていると著者は語ります。
 動物はとても繊細です。そのため「コミュニケーション治療」を大切にしています。動物の精神状態を第一に優先し、優しく声かけを行いながら治療にあたります。そんな動物を愛する著者が目指すのは人間と野生動物の“共生”、さらにその先の環境整備まで。熱い思いに心動かされます。

(A.K)
 
『いまを愛して生きてゆく』
金澤 翔子/書 金澤 泰子/文 PHP研究所

 母の泰子さんは、娘の翔子さんがダウン症だと告知をされた時、神に祈り、悲観の中で生きていたそうです。それでも、少しでも自立に近づくようにという思いから2人で書道に取り組むことに。個展で多くの人の目に留まり、翔子さんは書家として活動しています。
 翔子さんの作品とともに母の思いが書き綴られている本書。40年間祈ることは今でも変わりませんが、「すばらしい宝物を授かったと誇りに思うようになった」という言葉どおり苦しくても心を照らす内容ばかりで勇気が湧きます。

(A.S)