令和6年度6月号

『どこかが おかしい』

 佐東 みどり・にかいどう 青・緑川 聖司/著      PHP研究所

  不可思議で奇妙なものが大好きな「不可思議キミョウ」。彼が世界中から集めたコレクションの中にとっておきの写真たちがあります。それらの写真は一見すると普通ですが、よく見ると、何となく違和感があるのです。あなたはそこから浮かび上がる真実を見破ることができるでしょうか?普通に見えるものも、角度を変えれば不可思議だったり奇妙だったり。ぜひ、謎を解き明かしてみてください。写真ごとの短編になって、とても読みやすいです。




 




『電子仕掛けのラビリンス』

  石川 宏千花/著   理論社

 SNSの迷宮に囚われた彼女は、そこから抜け出すことができるのか?
「HOOP」というSNSの無料アプリに夢中の親友ユキナ。夏子はそのアプリに誘われますが、自分の時間が削られてしまうSNSには否定的で、登録をしていません。ある日「話したいから一旦スマホやめない?」そんなやり取りからお互いに亀裂が生じ、ユキナは学校で問題を起こした後、不登校になってしまいます。夏子はユキナをスマホ依存から救うべく、原因となるカラミの相手「ニル」にHOOPから接触しようと試みますが、それを止める少年「エル」があらわれて…。





『世界ぐるぐる怪異紀行』

 奥野 克己/監修 河出書房新社 

 はっきりとはわからないこと、怖いもの、不思議なこと、異様なこと。世界にはそんなことがたくさんあります。あなたは体験したことはありませんか?そういう現象は、実は小学生・中学生ぐらいの年齢に多いようです。
本書では、9人の文化人類学者たちが、それぞれの調査研究地で体験したり、見聞きしたりした怪異を紹介しています。妖術師、イエティ、人喰いマムー、呪詛。それらの現象にはどんな背景や意味があるのでしょうか。そして信仰や悪魔などに対する考え方が国でも違います。ぜひ、多様な世界の怪異に触れてみてください。








『ブロックで なんでもつくる! ビルダーの頭の中』

 三井 淳平/著 偕成社

  レゴブロックが大好きな人にとって、神様のような存在とされる三井淳平さん。三井さんは日本人初のレゴ公認のプロビルダー(レゴ作品を作る人)に最年少で選ばれました。1歳からレゴブロックに触れ、東京大学在学中に「レゴ部」を設立。プロのビルダーになるまでの道のりは挑戦の連続です。自分の作品を最大限に表現するために、細部にまでこだわるストイックさ。好きなことに対する探究心の強さがあったからこそ、今の地位を確立することができました。様々なものを創造する彼の頭の中をのぞいてみませんか?







『知図を描こう!』

市川 力/著  岩波書店

  「なんとなく、とりあえず、あてもなく」歩き続けるフィールドワーク(Feel度Walk)での発見・思い付きをひたすら書き残したもの「知図」。自分なりに発見した「知」は好奇心がとらえた小さな感動のかけらです。気になったものを家に帰り、描いてみると、様々な探求心がわき上がるかもしれません。生成AIが普及し、私たちの代わりに思考し、適切な答えを作ってくれる世の中になりました。「私たちに残されたのは、感覚と実体験の世界」と作者の市川氏は今の若者に投げかけます。今感じたり、考えたりしたことは大人になれば気にも留めないかもしれません。記録としての知図、はじめませんか?