『いつか、あの博物館で。』
朝比奈あすか/著 東京書籍
ロボット博物館で同じ行動班になった中学生の4人の視点で描かれたお話です。美しいアンドロイドの気象予報士を見て、それをきっかけに様々な思いを巡らせた4人は、それぞれに事情を抱えていました。サッカー部の次期キャプテンと言われ、クラスでも近所でも人気者の湊は、実は不登校の姉との関係に悩んでいます。自分ではどうすることもできないことに息苦しさを感じ、いら立ち悩む。多感な年ごろである中、それでも一歩ずつ進んでいく4人。ロボットにはない自分だけの心、つながりを大切にしていく成長の物語です。
『魔法のルビーの指輪』
イヴォンヌ・マッグローリー/著 関口英子 山下愛純 訳 小学館
11歳の誕生日の前日に、おばあさんからルビーの指輪をもらったルーシー。代々受け継がれているその指輪には、2つだけ願いをかなえる魔法が込められているようです。ある日の晩、ルーシーはうっかり指輪の入った小箱を落としてしまい、本当に願いが叶うか、迷いながら「大きな家が欲しい」と唱えてみます。するとなぜか100年前のアイルランドにタイムスリップしてしまいました。お城の使用人として働くことになったルーシー。果たして元の世界に戻ることができるのでしょうか?
『すぐそこにせまる脅威 巨大地震』
遠田 晋次/監修 ニュートンプレス
日本は世界有数の地震大国です。記憶に新しいのは、昨年の元旦に発生した能登半島地震ですね。本書によると、地形が変わったとされています。地震はあらゆる災害の中で最も恐ろしい現象だといえ、引き起こされる津波や火災で命を落とす可能性も含まれています。地震の仕組みだけでなく、今後発生する可能性が高いとされる「南海トラフ地震」や「首都直下型地震」で起こりうる被害の想定、被災した時にとるべき行動や備えが詳しく解説されています。地震を防ぐことはできなくても、自分の身を守ることは最低限できるはずです。
『ミライの武器』
吉藤 オリィ/著 サンクチュアリ出版
時間を忘れて「夢中になれること」はありますか?「我慢してやるべきこと」が増えて時間がないですか?本書の著者であるロボット開発者の吉藤氏曰(いわ)く、「『我慢してやるべきこと』はテクノロジーによって様々な形で解決されていく」そうです。最近で言えば生成AIや3Dプリンターなどがそうなのかもしれません。(課題などでは使えませんが)みなさんが大人になった頃には、今の当り前は変化しているはずです。「夢中になれること」はあなたの将来にとって武器となります。自分の「夢中」を探してみませんか?
『SNS時代のメディアリテラシー』
山脇 武志/著 筑摩書房
私たちの周りには様々な情報があふれています。デマに流されない、情報に溺れないためにも、信頼できる情報をどのように選び取るのかを学ばなければいけません。かつて日本も、戦意高揚のために情報を統制される時代がありました。本書でも「グレー」な情報の事実確認は難しいとされています。しかし見分ける目を持つことはできるはずです。震災時、動物園から猛獣が逃げ出したデマ画像。被災した地域の誇張しすぎたデマ画像が話題になりました。ぜひテクノロジーのクセ、人間のクセを理解し「吟味思考」を身に着けていきましょう。