『真実の口』
いとうみく/著 講談社
中学3年の冬、湊と七海と律希の3人は祠(ほこら)の前で膝をかかえてしゃがんでいた幼い女の子「あすか」を見て、迷子と思い交番に連れていきます。その時は良いことをしたと思っていました。やがて高校生になり、久々に再会した彼らは児童虐待事件のニュースを見て「あすか」を思い出しました。そして、本当に迷子だったのか?と疑問を抱きます。彼女の居場所を探し出し、陰から様子をうかがっていると、予感が的中していることがわかり…。
見て見ぬふりをする大人、責任を取りたくない大人を目の当たりにして、彼らがとった行動とは?
『あなたの言葉を』
辻村 深月/著 毎日新聞出版
学校生活において人の中に交わる時に、言葉を飲み込んだ経験はありませんか?言葉を発する前に相手がどう反応するかを想像したり、話を合わせてそれなりに相づちをうったりすることがあるはずです。一人だけ「違う」というのは勇気がいることで、残念ながら大人になってからも悔しくなる時が度々あります。そういった飲み込んでしまった言葉を、書き留めてみませんか?それはその時のあなたの気持ちで、言葉です。この本は著者の体験を元に書かれたエッセイですが、どこか共感できる、あなたの小さなささやきも拾い上げてくれているような、そんな一冊です。
『就活・受験に効く!自分キャッチコピー』
三嶋(原)浩子/著 中央経済社
自己分析で悩んでいる人は「自分キャッチコピー」を作ってみましょう!自分が目指す生き方を明確にするために、自分は何者で、どんな生き方をするのか。自分の売りは何なのか。大手広告代理店「博報堂」のコピーライターの著者が「自分キャッチコピー」の作り方のコツとステップを伝授します。今後みなさんにやってくる人生を左右する受験や就職活動に絡んだエントリーシートや面接で役に立つ一冊になるはずです。
『だれか、ふつうを教えてくれ!』
倉本 智明/著 新曜社
「障害が軽いからといって困難も軽くなるとは限らない。それは周囲の人の理解が得られにくかったり、中途半端にできることから無理をして重度の人以上にしんどさを経験する。」社会学者で全盲の倉本氏が障害を持つ立場として書いたエッセイです。障害の重さと生きづらさは比例しないのだということがわかります。世間での「ふつう」とは平均を意味するのか?自分基準の「ふつう」は自分を中心として考えたもので、他の人の「ふつう」とは違うはずです。障害についても、今後の人付き合いについても改めて考えさせられます。
『中高生のための「探求学習」入門 テーマ探しから評価まで』
中田 亨 /著 光文社新書
自ら問いを立て、それにこたえていく学習の事を「探究学習」と言います。市民図書館で行われている「調べる学習コンクール」や学校での「総合的な学習の時間」もその一つと言えます。人工知能の発達により、勉強しなくても大抵のことが解決する時代になりつつあります。今こそ、自分の調べたいこと、謎を見つけて仮説を立てることが大切だと著者の中田さんは伝えます。すぐ答えを探すのではなく、「こうかもしれない」と考える。失敗しても良いのです!