『TRUE Colors(トゥルーカラーズ)』
小林 深雪、にかいどう 青 他/著 講談社
母の使うシャンプーの香りが好きで、こっそり使ってしまう男の子。父親のスキンシップを「嫌」と感じても周りからは冗談っぽくとらえられ、自分がおかしいのでは?と悩む女の子。性的な話が苦手で、友達にそれを注意すると「こども」だと逆にからかわれてしまう男の子。母の機嫌を損ねないように、母が気に入りそうな友達しか家に呼べない女の子。などなど、全7話の短編集です。自分が「つらい」と感じていることや、普段抱いている小さな違和感と向き合うお話です。子どもから大人へと心も体も成長する思春期を生きるあなたにとっては、いくつか共感できる場面があるかもしれません。
『優等生サバイバル 青春を生き抜く13の法則』
ファン・ヨンミ/著 キム・イネ/訳 評論社
韓流ドラマを見て、キュンキュンしているだけではダメなのだと痛感します。
医者の息子で進学校トゥソン高校へ首席で入学したジュノ。上位韓国30位までしか使用できない学習室に息苦しさを感じ、常に周りから追い抜かれる恐怖と闘いながら高校生活を送ります。自分の道を見つけ別の高校へ編入する友達や、サークル活動を通して出会う人たち。ジュノは改めて自分を見つめなおします。
韓国の学生は日本よりも学力重視のハードな競争社会に置かれています。韓国の10代のリアルがみられる一冊です。
『カタリン・カリコ mRNAワクチンを生んだ科学者』
増田 ユリヤ/著 ポプラ社
アメリカ合衆国在住のハンガリー人科学者カタリン・カリコ氏。みなさんにもなじみのある「コロナワクチン」で実用化されたmRNAワクチンの開発の立役者です。彼女の人生は決して平坦なものではありませんでした。冷戦のさなかに子ども時代を送り、研究費を打ち切られ、止めるか他国に渡るかの選択を迫られるなど、多くの困難が彼女に降りかかります。「人の命を救う研究をする」という信念のもと、約40年もの年月をささげ、多くの人を救うこととなります。
『ひとりあそびの教科書』
宇野 常寛/著 晶文社
まわりの評価が気になって自分の振る舞いを決めている人、自分の考えを通すためにまわりとどうかかわるかを決めていく人。あなたはどちらのタイプですか?
この本では一人で孤独に行う「あそび」について、作者のおすすめポイントも含めつつ紹介しています。生きものに触れてみたり、役に立たない「もの」を徹底的に集めたり。何かに夢中になれば、あなたの世界は広がるかもしれません。はずかしい?そんなことはありません。それがあなたの心を豊かにするのであれば、あなたにとってそれは生き抜くために必要なものなのです。
『ナマケモノはなぜ怠けるのか? 生きものの個性と進化のふしぎ』
稲垣 栄洋/著 筑摩書房
ナマケモノ的な雰囲気を出している生き物といえば!?
ちょっと触るだけですぐ丸くなるダンゴムシ、子どもが一番手に取りやすいダンゴムシ。スキだらけの彼らですが、先祖は「三葉虫」です。海の生物から進化を遂げて「フナ虫」「ワラジ虫」になり陸上へ!そして今の形状に至ります。地味な虫でも先祖を追えば、すばらしい生存戦略がわかります。