『ぐっとくる仏像 ご当地仏真正面!』 | 『早房希美の謎解き急行』 | |
みうらじゅん/編集 帆足 てるかた/写真 枻出版社 本書の責任編集を手がけたのは、仏像ブームを牽引してきた、いとうせいこう氏との共著「見仏記」シリーズでも知られる、少年時代から仏像をこよなく愛する、みうらじゅん氏。 お寺で仏像と対峙した時の気持ちを忘れぬように、真正面のみで構成された迫力あるぐっとくる仏像写真に加え、奈良や京都の代表的な仏像も、地方仏と呼ばれる全国各地の仏像も、今後全て分け隔てなく「ご当地仏」と呼ぶことにすると語る、みうらじゅん氏の鋭くもユーモア溢れる仏像コラムは必読です。 (K.A)
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山本 巧次/著 双葉社 希美が勤める武州急行電鉄は、池袋駅だけで1日の乗降客数が46万人という都民の足を守る大手の私鉄です。
営業企画課の希美は、旅の企画の他にクレームなども取り扱うこともあり、社内のいろいろなトラブルが持ち込まれます。
名刑事と語り継がれる祖父の影響から何事もほっとけない性格の希美は、持ち込まれたトラブルを祖父の知恵を借りながら解決に導きます。
現役の鉄道勤務の著者が贈る短編集です。
(A.U)
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『転職の魔王様』 | 『コンジュジ』 | |
額賀 澪/著 PHP研究所 転職を希望する人は年齢も理由も、職場への希望も様々です。ブラック企業で心も体も疲れ切った人。忙しすぎて好きなバンドのライブにいけないと不満を持つ人。派遣の仕事に将来の不安を抱える人。そうした人たちに最適な求人を紹介し就職をサポートするのが人材紹介会社「シェパードキャリア」です。そこには就職決定率100パーセントの転職の魔王様と呼ばれるベテラン社員がいました。 悩める相談者たちへ厳しいアドバイスを浴びせながら、本人も気づいていなかったコンプレックスや本音を引き出し、最適の職場に導いてくれるのです。生活を変えるために真剣に仕事に向き合う人たちを描いたお仕事小説です。 (N.K)
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木崎 みつ子/著 集英社 子の誕生日に家を出た母、2度の自殺未遂をした父を持つ小学生のせれな。絶望の中で生きる彼女に、ある日舞い降りたのは、死んだはずの伝説のロックスター・リアンでした。 それからは、リアンとともに幸せに過ごすせれなでしたが、ある時、きちんと向かい合おうと、彼の伝記を読みだすのでした。 リアンの暗い歴史を知った時、せれなとリアンの関係は急展開を迎えます。 過酷な現実とユーモラスな夢が交錯する物語は、読者をどこへ連れていくのでしょう。幻想的なラストに、せれなの強さがキラリと光る一冊です。 (A.K)
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『イノセント・ツーリング』 | 『ローマ帝国 誕生・絶頂・滅亡の地図』 | |
湊 ナオ/著 日経BP日本経済新聞出版本 就職氷河期の真瀬と、若くして命を落とした大学時代の親友、瑞穂。そして、コロナ禍で何もかも変わってしまった世の中。きっかけは、瑞穂の息子である龍馬のもとへ南紀のライダーハウスから届いたハガキでした。
元気の在庫がなくなった今、彼女との約束を果たしたい。そう思った真瀬は、瑞穂とツーリングした紀伊半島へ瑞穂の夫と龍馬と一緒に4泊5日の自転車の旅へ出かけます。3人それぞれが今回の旅で、大切なものを確かめに行きます。 私たちもコロナ禍で気分が落ち込んだりしますが、読み終わった後には前向きな気持ちになれる小説です。 (A.S)
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日経ナショナルジオグラフィック社 大事業を成し遂げるには長い年月とたゆまぬ努力が必要というたとえで、「ローマは一日にして成らず」という有名な諺があります。これは、ヨーロッパ最大の帝国を築いたローマを称えたことに由来するといわれています。 本書はローマ帝国の誕生から、帝国統治の確立、絶頂期そして衰退までの千年を超える歴史の謎を解明します。イラストや写真を交えて、活躍した人物やローマ人の暮らしぶりにも触れており、楽しみながら理解を深めることができます。 興味はあるけれど、人物の名前や地名などを覚えるのがちょっと苦手という人にも手に取ってほしい一冊です。 (Y.O)
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