平成26年10月号



西本鶏介/文 太田大八/絵 (チャイルド本社)

 中国(ちゅうごく)につたわるむかしのおはなしです。  マーリャンは絵(え)をかくのが大(だい)すき。しかし、お金(かね)がないので、ふでをかうことができません。木(き)のえだですなの上(うえ)にとりをかいたり、ゆびを水(みず)につけて石(いし)の上(うえ)にさかなをかいたり…むちゅうになって絵(え)をかくれんしゅうをして、なにをかいてもたいへんうまくかけるようになりました。でも、ふでをかうお金(かね)はまだありません。
 あるばん、マーリャンはゆめの中(なか)にあらわれたおじいさんからふでをもらいました。なんとそのふでは、かいたものがほんものになるふでだったのです。
  えほん



小沢正/作 (すずき出版)

 こぶたのぶうくんはおふろに入りたくありません。母(かあ)さんぶたにおふろばへつれていかれましたが、すきをみて外(そと)へにげだしたのです。おふろばでぶうくんがくるのをまっていた「セッケン」と「タオル」と「あらいおけ」はあわててぶうくんのあとをおいかけます。でも、そのうち「あらいおけ」は目(め)をまわしてしまい、みちばたにたおれてしまいました。しばらくすると「タオル」も目をまわしてしまいました。
  低学年から



二宮由紀子/作 (理論社)

 冷(さ)めかかったカニクリームコロッケのコロッケくんは、台所(だいどころ)にいたパイナップルのかんづめのあきかんと、はみがきコップと一緒(いっしょ)に船旅(ふなたび)に出(で)かける決意(けつい)をします。
 旅(たび)の途中(とちゅう)で親切(しんせつ)な青年(せいねん)ジョーと知り合い、船(ふね)に乗(の)り込(こ)んで海(うみ)の上(うえ)に出(で)たり、カモメにさらわれて海(うみ)に落(お)ちたりしながら、いくつもの冒険(ぼうけん)をします。
 そして、コロッケくんは、ちょっとつぶれて、まずそうになりながらも、「ただのコロッケではなく、『海(うみ)の男(おとこ)』のカニクリームコロッケである」という自信(じしん)を持(も)つまでに成長(せいちょう)します。コロッケくんの 冒険(ぼうけん)は、友(とも)だちとの出会(であ)いあり、別(わか)れあり、そして新(あら)たなる旅(たび)へと続(つづ)きます。
  中学年から



神代明/作 (集英社)

 中学(ちゅうがく)一年生(いちねんせい)のまつりは引(ひ)っ越(こ)してきたばかりで、まだ仲(なか)の良(よ)い友(とも)だちがいません。
 ある日(ひ)、まつりは桐谷(きりたに)君(くん)と一緒(いっしょ)に日直(にっちょく)になりました。二人(ふたり)で職員室(しょくいんしつ)に出席簿(しゅっせきぼ)と日誌(にっし)を取(と)りに行(い)きますが、その間(かん)、花瓶(かびん)の水(みず)がかかったり、美術(びじゅつ)教室(きょうしつ)から水(みず)が入(はい)ったバケツが飛(と)んできたり、桐谷(きりたに)君(くん)に水難(すいなん)が降(ふ)りかかってきます。
 そして、まつりの耳元(みみもと)には「まつりちゃん、助(たす)けてあげて」という声(こえ)がどこからか聞(き)こえてきたのです。さらにその後(ご)も、桐谷(きりたに)君(くん)が水難(すいなん)にあうたび、「あぶない!」という、か細(ぼそ)い女(おんな)の子(こ)の声(こえ)がまつりに聞(き)こえるようになりました。
  高学年から