令和4年度10月号



  朽木 祥/著  小学館
 
   日本人の父とイタリア人の母をもつエリー。震災で心を痛め、母の故郷であるイタリアへ…。彼女は祖母ノンナの家で白黒写真と表面に字の書かれたパンを見つけました。そのパンに書かれた「S」の意味とは?ノンナはナチスドイツの占領により犠牲となった自身の家族の話をします。そして父方の故郷である広島では、エリーと同じ年齢で原爆によって亡くなった大叔母の存在を知ります。戦争を語る方が少なくなった今、現在の世界情勢も含め、戦争についての話に触れてみませんか?





『トラからぬすんだ物語』

  デエ・ケラー/著 こだまともこ/訳     評論社

 リリーはママとお姉ちゃんの3人で、おばあちゃん(ハルモニ)の住む町、サンビームに引っ越してきました。ある日道路の真ん中にいるトラを見つけますが、ほかの人には見えていません。トラが言うには「ハルモニが盗んだものを取り返しにきた」そうなのですが、一体何を盗んだのか?そしてハルモニの病気を治すためにはそれが必要で…。内気でおとなしいリリーが家族を守るために奮闘する姿に心を打たれます。クセのある他の登場人物にも注目です!





『陰陽師の解剖図鑑』

   川合 章子/著  X-Knowlege

 「陰陽師」という言葉を聞いたことがありますか?近代化が進み、その職業が廃止されて表舞台から消えるまで、彼らは日本の中枢である政治の場面で今後を占い、助言をするなど大いに活躍してきました。歴史に出てくる「平城京」なども陰陽師が占って決めた場所です。時には鬼を祓ったり、星を観測して暦を作ったりと、様々な分野で活躍してきた陰陽師という職業。空想のようで確かに実在したその仕事の中身を徹底解剖!

    




『文房具語辞典』

  高畑 正幸/著  誠文堂新光社
 
 学生が学校生活で必ずお世話になっている文房具。それらにはきちんと名前があるんです。この本では最新の「3Dペン」から大人が懐かしく感じる「砂消しゴム」まで、名前や歴史など、詳しく解説。他にも「自在定規」「匂い玉」「ロータリーカッター」などなど、ドラ〇もんの四次元ポケットから出てきそうなネーミングで、思わず欲しくなるものが目白押しです。著者はなんと、某テレビ局放送の「TVチャンピオン」で「文具王」となった高畑正幸さん!さあ、あなたもこの本を読んで、学校の文具王を目指しましょう!






『作家たちの17歳』

  千葉俊二/著  岩波ジュニア新書
 
 あの有名な作家にだって青春はあった!天才と呼ばれた文豪たちは、いったいどんな青春を送ったのでしょう?24歳でこの世を去った樋口一葉。彼女は17歳で父を亡くし、家の主となりました。2人の兄がいましたが、長兄は死別、次兄は勘当され家を出ています。そして一家を背負った矢先の婚約破棄。作品が認められた頃にはすでに病魔が…。17歳からの7年間は激動の人生でした。みなさんと同じ10代だった文豪たちの向き合った人生、ちょっとのぞいてみませんか?