令和3年度2月号


『文豪中学生日記』

 小手鞠 るい/著  あすなろ書房

 新しい年の新しい一日に、何か〈新しいこと〉を始めたいと思った、中学2年生の春希。文芸クラブの部長をしている彼女が考えた〈新しいこと〉とは、日記。かつて紀貫之が「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」と、女になりきって書いた『土佐日記』。それをまねて、春希は男になりきって日記を書こうと決意します。




『ルーミーとオリーブの特別な10か月』

 ジョーン・バウアー/著  小学館
 
 オリーブは12歳の女の子。2歳の時に母親を亡くし、つい最近父親を亡くしたばかり。父親が病気になってから初めて会った異母姉と一緒に、見知らぬ町のシェアハウスで暮らすことになったのです。父親を亡くした心細さや今後のことへの不安などで、オリーブはパニックに。そんな彼女の救いとなったのは、ルーミーという盲導犬候補の犬。彼女は、パピーウォーカーというボランティアをやることになったのです。




『学園ミステリー』

 恩田 陸、米澤 穂信、青崎 有吾/著   汐文社

 「絶対名作!十代のためのベスト・ショート・ミステリー」の第一巻。大人気作家三人が描くストーリーが三篇収められています。

 買い物に出かけた先で、伊原は中学校時代の同級生に偶然会います。そこで何気なく名前が出た折木。それをきっかけに、中学の卒業制作のことを思い出すのです…(「鏡には映らない」)。 
 みなさんが多くの時間を過ごす学校を舞台に、さまざまな謎が巻き起こります。




『SDGs入門』

 蟹江 憲史/著  岩波書店
  
 このところよく耳にするようになったSDGs。SDGsとは、国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」の略称で、より良い世界になるよう、2030年までに達成することをめざして掲げられています。地球というかけがえのない惑星で、人類が幸せに生きていくためには、外すことのできないたくさんのポイントがあり、わたしたち一人ひとりの行動が重要になってきます。未来のために、できることから取り組みませんか。




『さむがりやのスティーナ』

 ラニ・ヤマモト/著  平凡社 
 
 とても寒がりやのスティーナ。冬の間は外に出ないくらいで、家の中でも寒さ対策に余念がありません。彼女が一番安心できるのは、白くて大きな羽根布団の中。寒くならないためにはどうすればよいのか…と“つまさきゆたんぽ”や“カップようミトン”など、いろいろなものを作って大忙し。
一方、外には雪の中、遊ぶ子どもたちが。そんな子どもたちの様子が少しだけ気になりだしたスティーナ。外は寒くないのかしら?
 寒い冬にぴったりの心があたたまる絵本です。