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おすすめの本
 

No.714  令和3年12月

『さよたんていのおなやみ相談室』『「カムカムエヴリバディ」の平川唯一』
さよたんてい/著  ぴあ株式会社関西支社
 
 
相談「嫁がすぐキレます」
 回答「目をとじておわるのをまつ。
    …おわったらよしよししてあげて!」
 さよたんていは実在する小学生の女の子です。物心ついたころから、空想の世界の中で一人遊びを楽しんでいたそうです。ある日部屋のドアに「どんなおなやみもかいけつされます」と貼紙をして相談室をはじめました。相手をする母親がネタ探しに困り友人に話したことから家の外に飛び出し、インスタグラムで広がりました。大人の悩みに正面から立ち向かい、シンプルで的確な言葉を使いアドバイスしています。その名答ぶりに大人は脱帽です。
                (N.K)
平川 洌 /著  PHP研究所

 NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」では、ラジオから流れるラジオ英語が主人公たちを明るく照らしています。本書は、NHKラジオ「英語会話」の担当をしていた平川唯一について、次男である著者がまとめたものです。昭和21年から開始の番組「英語会話」は、テーマソングの歌詞から「カムカム英語」と呼ばれていました。山間部の農家で過ごした幼少時代、アメリカでの19年間、戦争の時代を過ごし、カムカム英語が始まるまで。敗戦後の沈んだ日本で前を向いていく大切さを考え、日本を明るくしたいと願った唯一。カムカム英語の果たした役割とは。希望の光を届けたいと奔走する唯一の姿を描きます。   
                 (T.M)
『米澤屋書店』『ヤングでは終わらないヤングケアラー』
米澤 穂信/著  文藝春秋

 今、最も新作を待たれているミステリ作家の読書遍歴が、一冊の本になりました!
 筆者がデビューして20年の間に書いた、本にまつわる文章や、あのミステリ作家との対談が収録されています。
 知っている本の箇所を探し出して読むも良し。知らない本に出会う手引きにしても良し!どこから読んでも、筆者の頭の中が楽しめます。
 本文の下に書かれた脚注も、筆者の手で書かれており、本に対する並々ならぬ愛情が伝わってきます。
                (A.K)

仲田 海人、木村 諭志/編著  
          クリエイティブかもがわ
 

 ヤングケアラーとは、家族の誰かの介護、ケアを担う18歳未満の子を指します。その割合は国の実態調査で、中学生の17人に1人に上るとなっていますが、家族間のデリケートな問題で表面化しにくく正確な現状把握は不十分とも言われています。著者の二人は、きょうだいが精神障がいを抱えているヤングケアラー経験者。その経験からそれぞれ作業療法士と看護師になりました。本書ではその専門的視点で「きょうだいヤングケアラー」に着目し、体験談や医療・福祉・制度の支援などの現状、今後の取り組みについての提言をしています。 
                 (Y.O)
『神曲』『SIP超知能警察』
川村 元気/著  新潮社
 
 ある日、小学校の校門前で黒ずくめの男に12人の小学生が襲われる事件が起こります。小鳥店を営む檀野三知男はその事件で息子の奏汰を失いました。三知男たち家族は悲しみに暮れ、しだいに妻の響子が三知男を罵り続けるようになりますが、合唱隊に通い始めてから落ち着きを取り戻します。しかし、こつこつ貯めていた300万円を響子が合唱隊へ寄付してしまいます。
 3編に分けて三知男、響子、娘の花音、それぞれの視点で物語が描かれていて、事件の衝撃や事件後の出来事によって揺れ動く家族の様子、三人それぞれの家族を想う心情が交錯します。 
                (M.O)
山之口 洋/著  双葉社

 2029年、日本の警察では進化した人工知能を用いたAI捜査が行われており、逆神はAI捜査の最前線となる「情報科学捜査第4研究室」で室長として指揮にあたっていました。彼が捜査を命じられたのは、「防衛省管内で連続で起きた不審事件」など、3つの事件。一見関係のないように思えたこれらの事件ですが、捜査を進めていくと少しずつ共通点が見つかっていきます。次第に事件は世界を巻き込んでいき…。
 ハイスピードで展開する、近未来警察小説です。
                 (A.K)