令和3年度7月号


『イカル荘へようこそ』

 にしがき ようこ/著  PHP研究所

 (もう、イヤ!もう、たくさん!)と家を飛び出した真子。ずっとケンカをしている両親の様子がたまらなかったのです。
 偶然出会った夏鈴の家はイカル荘という名の建物。どうしても家に帰りたくない真子は、イカル荘で一ヶ月だけホームステイすることになります。インドネシアからの留学生・デフィンや夏鈴の父親・ジジさんらと共に生活をしていくうちに、真子はいくつもの新たな発見と穏やかな気持ちを取り戻すのです。




『気候変動に立ちむかう子どもたち』

 アクシャート・ラーティ/編  太田出版
 
 地球温暖化や過去の観測記録を上回るような豪雨がたびたび発生するなど、気候変動は世界中すべての人々に影響を及ぼしています。そんな気候変動に抗議する若者たちが世界各国にいます。
 当時15歳ながらスウェーデンの国会議事堂前でストライキを行ったグレタ・トゥーンベリをはじめ、ウミガメの鼻の穴に詰まったプラスチック製ストローをきっかけに環境問題を学び始めたインドのムカルジなど。同じ理想を持つ若者たちが闘っている様子を知り、環境のことを一緒に考えませんか。



『大学の学科図鑑』

  石渡 嶺司/著  SBクリエイティブ

 全国に約800校ある大学には、学部内での専攻を細かく分けた多くの学科があります。学びたい分野をさらに深めるためには、それらの学科について知ることが大切です。
 この本で特徴的なことは、大学の代表的な学科を擬人化して説明されていること。また、コロナ禍によって起こった、それぞれの学科を取り巻く環境の変化についても記述されています。あなたにぴったりの学科が見つかるといいですね。




『Mガールズ』

 濱野 京子/著  静山社
  
 COVID-19は終息し、新たなARSウイルスに脅かされる20XX年。学校の授業はほぼオンライン。家族コードで決められた外出可能日を「散歩の日」とし、最長五時間までの散歩が許されています。さらには、フィジカル・ディスタンス条例も制定されている世の中。
 二年ほど前にヒップホップに出会い、それ以来ダンスのとりこになった美梨は、友達の愛依と一緒にタブレット越しに練習をする毎日です。二人だけだと寂しいと仲間を募集して、ユニットを結成することになります。
 彼女たちがオンラインではなく、青空の下で思いっきりダンスできる日はくるのでしょうか。
 



『モヤモヤそうだんクリニック』

 池谷 裕二/文 ヨシタケ シンスケ/絵  NHK出版
 
 日ごろ生活する中で、心がモヤモヤすること、納得がいかないと感じることはありませんか?そんな悩みに答えてくれるのがこの一冊です。
 実際に子どもたちから寄せらせた“モヤモヤ”は、“もっと簡単に覚える方法を知りたい”とか“プレッシャーに強くなる方法を知りたい”など。その一つ一つのモヤモヤに対して、脳のしくみを研究している池谷先生が解決するためのヒントを教えてくれます。読めばあなたの悩みもきっと軽くなるはずです。