令和3年5月号


スベンヤ・ヘルマン/文 ヨゼフ・ヴィルコン/絵
石川素子/訳 徳間書店

 ほしのきれいなよるに、4ひきのおおかみのこどもがすあなの中(なか)でねむっていました。おかあさんはたべものをさがしにでかけています。4ひきはすあなのなかでまっていないといけません。でもそとにでたくてたまらなくなりました。そこでみんないっしょにかおをだし、大(おお)きくいきをすいました。よるのもりは、あまいにおいがします。4ひきはそとへあるきだします。ひとあし、もうひとあし。くらいもりのなかをどんどんすすんでいきました。





かこさとし/文 かこさとし/絵 なかじま かめい/絵 福音館書店

 山(やま)のふもとに小(ちい)さなびょういんがあります。院長(いんちょう)のイノシシ先生(せんせい)は大(おお)きくてモジャモジャかみの毛(け)のこわい顔(かお)でしたが、びょうきになると山のみんながやってきました。
 うさぎのかんごしさんについて、しんさつ室(しつ)に入(はい)ってきたのはマスクをつけたカマキリさんで、はなをクチュクチュくしゃみやはなみずがでています。チョウのこなでも花粉(かふん)のせいでもないようです。イノシシ先生(せんせい)はかんがえこみました。するとカマキリさんは、ヤギばあさんに白い花(しろいはな)がさいているところでおいかけられた話(はなし)をしたのです。



        低学年から

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片平直樹/作 高畠純/絵 文研出版 

 アフリカの空(そら)をおおう雲(くも)の上(うえ)に大(おお)きな竜(りゅう)と小(ちい)さな竜(りゅう)がいます。大きな竜(りゅう)はお父(とう)さん、小さな竜(りゅう)は息子(むすこ)のドラドラ、遠(とお)くにある竜(りゅう)の国(くに)から雨(あめ)をふらせるためにやってきました。竜(りゅう)の国(くに)に帰(かえ)るまえにお父さんは「自分(じぶん)の力(ちから)だけで雨(あめ)をふらせてみろ」とドラドラに命(めい)じます。お父さんは雨をふらせるのが得意(とくい)で一番(いちばん)の成績(せいせき)でしたが、ドラドラはふらせることができません。
 大昔(おおむかし)、アフリカに雨をふらせた伝説(でんせつ)の青(あお)と赤(あか)の竜(りゅう)が今(いま)も姿(すがた)を変(か)えてアフリカにいるのです。お父さんも同(おな)じようにすごい竜(りゅう)です。雨をふらせることができないドラドラは…。






小森香折/作 平澤朋子/絵 偕成社

 ラベンヌ王国(おうこく)では国王(こくおう)をはじめ王侯貴族(おうこうきぞく)が贅沢な暮(ぜいたくなく)らしをしていた。だれもが王都(おうと)ミラを訪(おとず)れたいとねがったが、庶民(しょみん)はぼろをまとい、ひと切(き)れのパンを争(あらそ)う生活(せいかつ)をしていた。
 貧民街(ひんみんがい)で暮(く)らす少年(しょうねん)ノアは「下町(したまち)ネズミ」の制服(せいふく)という灰色(はいいろ)の洋服(ようふく)を着(き)て、街灯(がいとう)がない下町(したまち)で明(あ)かりを持(も)ち道案内(みちあんない)をする仕事(しごと)をし、ほかにも御用(ごよう)をこなしていた。ノアは姉(あね)のように慕(した)っていた仲間(なかま)のロゼを探(さが)していた。しかしロゼはすがたを消(け)したままだった。ある日、ノアは黒(くろ)ずくめの男に仕事(しごと)をたのまれた。それは修道院(しゅうどういん)にある一冊の本を持ち出(もちだ)してほしいというものだった。