平成30年度3月号



日向 理恵子/作 ほるぷ出版

 燃える火に近づくと人体は発火し、森には恐ろしい魔獣(まじゅう)の炎魔(えんま)がすんでいる世界。この世界で人が安全に操ることのできる火を手に入れられるのは、火狩(ひか)りと呼ばれる人々だけでした。森に囲まれた村に暮らす灯子(とうこ)は、ある日炎魔に襲われたところを火狩りに助けられます。その戦いで命を落とした火狩りの相棒・狩り犬のかなたと武器の鎌を火狩りの家族に返すため、灯子は旅に出ます。
 大戦争終結後の世界を舞台とした壮大なファンタジーの幕開けです。




鎌田 實/著 理論社

 「呪縛(じゅばく)」とは、まじないをかけて動けないようにすること。または心理的に人の自由を奪うこと。私たちの周りにはたくさんの呪縛があふれています。貧しい暮らしの中で自力で学費を稼ぎ医者になった著者が、未来へ進んでいく若者たちへ贈る、縛られないための一冊です。




アレックス・フリス/文 ロージー・ホア/文 ルイ・ストーウェル/文 晶文社

 世界中の国々には様々な政治があります。この本では国ごとに異なる政治のあり方が、たくさんのイラストで分かりやすく解説されています。これからの社会を知る第一歩を踏み出してみましょう!





小林 深雪/著 落合 由佳/著 黒川 裕子/著 大島 恵真/著 講談社

 「女の子は女の子らしく」「兄は兄らしく兄弟仲良くしないと」…周りの人たちだけでなく、自分も決めつけていること、ありませんか?この本は、そんな決めつけに悩む中学生たちが主人公です。美術系学校の受験生が通うデッサン教室で、周囲との実力差に悩む万里(ばんり)は、自分がはったりだけの絵を描いたり他人と張り合っていたりしたことに気付きます。「本物」を見つけようとする万里の行き着く先とは…。4人の作家による短編集です。





ジーン・ウェブスター/作 谷川 俊太郎/訳 安野 光雅/絵 朝日出版社

 孤児院で暮らすジルーシャは、ある人からの援助で大学に行けることになりました。援助を受ける条件は、月に一度その人に手紙を書くこと。背が高いということしか分からないその人を、ジルーシャは「あしながおじさん」と呼びました。
 誰もが一度は聞いたことのあるこの世界的名作。実はその文章のほとんどが、ジルーシャからあしながおじさんへの手紙だけで占められているって知ってましたか?作家を目指すジルーシャの楽しい日々が書かれた手紙に、ふれてみて下さい。