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おすすめの本
 

No.644 平成31年1月

私が食べた本』『桂歌丸大喜利人生』

 村田 沙耶香/著  朝日新聞出版

 

  デビュー以来、その独特の世界観で注目を浴び、コンビニ人間で芥川賞を受賞した後は、一躍人気作家となり、活躍を続ける著者。デビューから15年の間に書いてきた書評や、芥川賞受賞日の出来事などまさに「本」にまつわる文章をまとめました。

 小学生の頃の愛読書や、昔の記憶を思い出させる本、そして、作家仲間が「クレイジー沙耶香」と言わしめた著作についてまで幅広く収録されています。まさに創作の裏側を垣間見ることができます。

 著者が食べてきた本のおすそ分けを頂いてみませんか?                            

(A.U)

 日本テレビ/製作・著作  ぴあ

 

 2018年7月2日、81歳で人生の幕を閉じた桂歌丸師匠。15歳で落語の世界に入り、以降、第一線で活躍し続けてきた彼は、入退院を繰り返しながらも生涯現役を貫きました。
 この本は、彼とともに番組に出演していた仲間たちが、彼を偲びつつ彼との思い出を語っています。テレビの視聴者や高座のお客さん、そして落語界の後輩たちなど、多くの人たちに愛されていた彼の人柄が伝わってくるとともに、人生を前向きにという生きざまが伝わってきます。

     

(R.K)

『そこにいるのに』写真集 ねことじいちゃん

 似鳥 鶏/著  河出書房新社

 通勤や通学で毎日通る道、よく利用する最寄り駅、旅先の風景の中、そして、住み慣れた家…。思いもよらない場所に潜む奇怪な現象が、いつもと変わりない日常を送る人々を突然恐怖の底へと落としていく、13話のホラー短編集です。

 休日は田舎町に出掛け、気ままに写真を撮るというライフワークを楽しんでいるひとりの男性。ある日、出向いた村で見つけた踏切と線路に沿って伸びる夏らしい景色を、いつものようにカメラに収めますが…。楽しい気分から一変、その後予想も出来ないような恐怖が彼を襲います。ラストに近づくにつれ、じわじわと押し寄せる最恐の恐怖が、ページをめくる手を休ませてくれない一冊になるはずです。

(Y.U) 

 岩合 光昭/著  クレヴィス 

 動物写真家・岩合光昭さんが監督をつとめる映画「ねことじいちゃん」の写真集です。映画は、立川志の輔演じる主人公、じいちゃんの大吉と主演猫キジトラのベーコン演じるタマを中心に、小さな島で暮らす猫と人との生活を丁寧に撮っています。出演しているねこは38匹。足元にねこ。背中の上にねこ。食卓にねこ。通学路にねこと、映画撮影中に撮られたねこのオフショットとでもいうべき表情に心がなごみます。

 春夏秋冬、島での季節の移ろいの一瞬を切り取る中で、この小さな生き物が生活のなかに当たり前に存在している喜びをあらためて気づかせてくれます。 

(Y.M)


『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』 『女性のための「検査」がわかる本』
 長野 まゆみ/著  河出書房新社

 

 宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』を主人公ジョバンニの友人・カムパネルラの目線から描いたこの作品。原作では亡くなってしまうカムパネルラですが、銀河鉄道での彼の旅はまだ終わっていませんでした。なぜジョバンニとカムパネルラは銀河鉄道へ乗ることになったのか。著者である長野氏が幼い頃から描きたかった世界が込められており、読み終えた後には2人の未来に希望が感じられます。

 著者デビュー30年記念となる本作。『銀河鉄道の夜』のスピンオフ作品であり、解説本としても楽しめる一冊です。

(A.K)

 小橋 隆一郎/著  主婦の友社

 病院での検査がいったい何を調べるものなのか、数値の結果など詳しく理解できていますか?本書では、ライフステージ別に女性が経験する身体と心の悩みや症状、がんと女性に多い病気の検査、さまざまな検査項目とその検査でわかること、また疑われる病気などについて丁寧に解説してあります。また気がかりに思っている症状を解決するための自己チェックページもあり、手軽に今の健康状態を確認することが可能です。

 定期的な健康診断など日々の健康維持に役立つ一冊です。

              (M.T)