平成28年1月号



白河 三兎/作 双葉社

 苦痛のない死に方を教えてもらえる、と聞いて、私は自殺幇助サイト「小人の巣」の管理人「シャーマン」に会いに行った。場所は総合病院の病室。そこにいたのは、パジャマ姿のかわいらしい10歳の女の子だった。その子は、「安楽死の薬をあげる。代わりに、あなたの臓器をちょうだい。」と言った。
さらに、わたしをいじめたクラスメイトも一緒に殺してしまうことを勧められ、人数分35粒の薬を受け取った。私はシャーマンの言うとおり、実行に移したが…。
「小人の巣」の本当の目的は何なのか!?



水野 敬也/作 文響社

 睡眠薬を大量に飲もうとした僕に「待って!」と声をかけたのは悩美という女の子。僕の悩みを減らすためのアドバイスをしてくれるという。
パラパラマンガで人気の鉄拳の絵と共に、読んでください。



ディック・ブルーナ/著 KADOKAWA

 今年生誕60周年を迎えたミッフィーは、子どもから大人まで幅広く、世界中で愛されています。著者ブルーナーが、たくさんの絵と共に絵本に込める思いなどを短い文章で綴った本です。
手描きにこだわるブルーナーの絵本の作り方も写真で見せてくれています。絵本で使われているのは、赤、黄、緑、青、茶、グレーの6色。
それぞれの色にこめられたメッセージも語ってくれています。



小林 幸一郎/著 飛鳥新社

 著者は28歳の時に進行性の眼病が発覚し、「将来見えなくなる」と告げられました。これからどうやって生きていけばいいのか?仕事も、大好きなフリークライミングもできなくなる。そんなどん底の中で、「大事なことは自分が何をしたいか。自分の人生を生きなさい。」というアドバイスから少しづづ、前に進みはじめました。
そして、視聴覚障害者のフリークライミングを普及する活動を始めます。それから10年、毎日を必死に生きる中での、思いを綴った本です。
「見えなくなって見えてきたことは?」と聞かれると「人間は、見えても見えなくても同じってこと」と答えるそうです。



ジェンマ・エルウィン・ハリス/編 河出書房新社

 「わたしのお父さんはどうしてロトに当たらないの?」という子どもの疑問に、一流の経済学者が真面目に答えています。
「だれかがおならをすると、なにがおかしいの?」なんて質問、言われてみれば確かに、なぜみんな笑うのか?答えられませんよね。
イギリスの子どもたちの質問に、各分野の第一人者が回答を寄せています。先に出版された『世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え』も併せて読んでください。