平成30年4月号



菱木晃子/文 平澤朋子/絵 BL出版

 むかし、スウェーデンの大(おお)きな川(かわ)のそばに、ネイネ・パッゲというサーメ人(じん)の男(おとこ)がすんでいました。春(はる)になるとトナカイにえさをたべさせるため、川上(かわかみ)へうつります。ネイネ・パッゲには、だいじなひとりむすめのチャルミがいました。うつくしくかしこいチャルミのうわさは、遠(とお)くまでひろまり、あちらこちらから、およめさんにほしいという男がきました。けれどもチャルミはみんなといたいので、およめにいく気(き)はありません。
 山(やま)の上(うえ)には、ひとりの巨()人(きょじん)がすんでいて、サーメ人のものを力(ちから)ずくでうばったりしていました。その巨人が「チャルミをよめによこせ」といったのです。
  えほん



はせがわさとみ/作 かわかみたかこ/絵 文溪堂

 ホカリさんは、ちいさなまちのゆうびんやさんです。まるいかおに、まんまる めがね。あかいじてんしゃにのって、にこにこしながらゆうびんをとどけます。とってもきもちのいいごごは、ホカリさんおとくいの「てがみのうた」をくちずさんで、たのしく おしごとするのです。
 はいたつをしていると「おねがいします」とこえがきこえました。ちいさな たぬきのこがかおをだ「おてがみを そらのおひさまに とどけて ほしい」とたのみました。おひさまに てがみだなんてどうしたらいいんでしょう。でも ホカリさんはどうにかして はいたつ してあげたくなりました。
  低学年から



山下明生/作 高畠那生/絵 理論社

 ハリネズミ・チコはポルトガルのナザレ村(むら)を飛(と)び出(だ)してきた冒険(ぼうけん)ずきの男(おとこ)の子(こ)です。豪華客船(ごうかきゃくせん)ジャカスカ号(ごう)にのって、旅(たび)ネズミのマルコ・ポーロといっしょにバルセロナまでやってきました。大(おお)きな港(みなと)には、たくさんの船(ふね)がやすんでいます。マルコは人間(にんげん)のマルコ・ポーロにあこがれて旅をする年寄(としよ)りネズミです。こんどは帆船(はんせん)を乗(の)りつぎ、人間のマルコ・ポーロが生(う)まれたコルチュラ島(とう)まで行く計画(けいかく)です。腹(はら)ごしらえをすませると、マルコはカボチャを積(つ)んでいる帆船を見(み)つけます。そこでマルコとチコは、カボチャにまぎれこむと、船にすんなり乗(の)り移(うつ)ることができました。いよいよ空(そら)とぶ船の冒険(ぼうけん)の旅がはじまったのです。
  中学年から



さとうまきこ/作 高橋由為子/絵 偕成社

 いつもの朝(あさ)、圭太(けいた)はお母(かあ)さんにたたきおこされ、ぎりぎり家(いえ)をでました。圭太は広(ひろ)い道(みち)にでると首(くび)をかしげました。道(みち)のまんなかに白(しろ)いチョークで矢印(やじるし)がかいてあり、学校(がっこう)とは反対(はんたい)の方向(ほうこう)をさしています。それには〈通学路(つうがくろ)〉という文字(もじ)がありました。圭太が矢印を消(け)そうとすると、矢印がぴょーんととびはね、道をすべっていったのです。圭太は夢中(むちゅう)で追(お)いかけますが、矢印はスピードをあげ、角(かど)をまがって古(ふる)ぼけた赤(あか)いレンガの家(いえ)にすべりこみました。どきどきしながら圭太が中(なか)にはいると、そこには同(おな)じクラスのリッチと紅子(べにこ)がいたのです。それぞれ椅子(いす)にすわるとふつうのおばあさんがやってきて「魔法学校(まほうがっこう)へようこそ」といったのです。
  高学年から