平成29年5月号



瀬田貞二/再話 和田義三/画 福音館書店

 むかし、びんぼうでしたがいつもほがらか、げんきにくらしているおばあさんがいました。
あるばんおばあさんがいつものように、にこにこしながらうちへかえるとちゅう、くろいおおきなつぼをみつけました。おばあさんがなかをのぞきますと…つぼのくちまで きんかがどっさり。おばあさんは、つぼをショールのはしにゆわえてひっぱってかえることにしました。あるきながら、きんかのことをかんがえました。
くたびれたおばあさんはたちどまって、おたからをながめました。すると、きんのつぼはなくなって、ぎんのかたまりにかわっていたのです…。

  えほん



葦原かも/作 森田みちよ/絵 講談社

 ここは うみの としょかんです。おだやかなうみのそこで みんなゆうらりとゆれながら すきな本(ほん)をよんでいます。本は かいそうでできているから水(みず)の中(なか)でもだいじょうぶです。としょかんではあらそいもなく、みんなあんしんしてよむことができます。とくに本ずきなのは こわいかおをしたアオザメです。むちゅうになってよんで、よみおわると、ヒラメに「またおもしろいのをたのむよ」とこえをかけるのです。ヒラメはまたおもしろい本をすすめます。ヒラメはとしょかんのせわをしています。たくさんの本のそうだんをうけ、ぴったりな本をさがしてあげるのです。
  低学年から



南部和也/さく さとうあや/え 福音館書店

大(おお)きな街(まち)の市場(いちば)に、ベスという白(しろ)いネコが暮(く)らしていました。市場は忙(いそが)しく、みんな人(ひと)にやさしくすることを忘(わす)れていました。ある日(ひ)立派(りっぱ)な馬車(ばしゃ)が市場にやってきました。馬(うま)がベスをみつけてうれしそうに首(くび)をふり、ベスも走(はし)りまわります。すると馬車が出発(しゅっぱつ)しベスは御者(ぎょしゃ)の椅子(いす)の下(した)にひっかかりました。馬車は知(し)らない大(おお)きな屋敷(やしき)につきました。つかれて寝(ね)ていたベスの前(まえ)に馬車がとまり、女(おんな)の子(こ)がおりてきてベスを抱(だ)きあげました。女の子は宮殿(きゅうでん)のトリア姫(ひめ)でした。つぎの日(ひ)トリアとベスは宮殿によばれます。ベスを飼(か)いネコにしたいトリアでしたが、宮廷(きゅうてい)のとりきめで十歳(じゅっさい)になるまで飼(か)うことができません。そこでベスはトリア姫(ひめ)の家庭教師(かていきょうし)になるといったのです。
  中学年から



橘 春香/作・絵 偕成社

 レンちゃんは小学校(しょうがっこう)へかよう道(みち)に、気(き)になるお店(みせ)を発見(はっけん)しました。とても小(ちい)さなお店で、看板(かんばん)には「銀杏堂(ぎんなんどう)」と書(か)いてあります。レンちゃんがなかをのぞいてみると、いちばん奥(おく)に小(ちい)さいおばあさんがすわっていました。おばあさんがきびきびと働(はたら)いているようすにレンちゃんは、お話(はな)ししてみたいと思(おも)いました。レンちゃんが勇気(ゆうき)をふりしぼりお店に入(はい)ると、たくさんのものがならんでいました。わかるものはひとつもありません。そのとき、「子(こ)どもはおことわり」と声(こえ)がしたのです…。おばあさんの名前(なまえ)は高田(たかだ)さん、お店(みせ)は骨董屋(こっとうや)さんでした。高田さんはレンちゃんに品物(しなもの)ひとつひとつのお話(はなし)をしてくれました。
この本は、高田さんが世界(せかい)を旅(たび)して集(あつ)めた骨董(こっとう)のお話です。
  高学年から