平成27年5月号



風木一人/作 西村敏雄/絵 教育画劇

 あるいていたら もーさんに あった。おおきな おおきな うしの もーさん。
「おおきな せなかに のっけてよ」
「いいとも。ぼくはおおきくて ちからもち」
もーさんは みんなをのせて のんびりあるいていく。ゆっさゆっさ。
おでこに ひゅっと かぜがふく。すると もーさんが いった。
「ぼくも のってみたいなあ」
 そこでみんなは もーさんをがんばってのせることにした。

  えほん



宮下すずか/作 市居みか/絵 くもん出版

 かばのユマくんは、きょうもとしょかんにいきました。
「はっくしょん!」ユマくんの大(おお)きなくしゃみが本(ほん)のせなかにふきかかったから  さあ、たいへん!のほほんとしていたもじや体重(たいじゅう)のかるい 小(ちい)さなもじは、ふきとばされてしまいました。本(ほん)のだいめいにあながあいたようです。小(ちい)さい「ゃ ゅ ょ」がきえていました。みんなはさがすことにしました。
 さあもじはみつかるのでしょうか。
  低学年から



片岡令子/作 さとうあや/絵 のら書店

 シナモン村(むら)のおかの上(うえ)で、きつねのモモーヌは、ようふくなおしのおみせをはじめました。きょうも、いろんなどうぶつたちがやってきます。ひぐまのルルが、ピンクのワンピースをもって、やってきました。モモーヌは、おなじいろのはぎれをさがして、ようふくなおしをはじめます。
 モモーヌは、シナモン村(むら)で、みんなのたいせつなようふくをずっとなおしていくことにしました。それには少(すこ)しだけ、わけがありました。
  中学年から



高楼方子/作 松岡 潤/絵 あかね書房

 リリコの部屋(へや)には、一枚の風変(ふうが)わりな絵がはってあった。女の子が一人、黄色い地面、貨車(かしゃ)のような車両(しゃりょう)が一つ。リリコは変わった絵だと思ったが、この絵が好きだった。
 ある日、絵の中の少女が足を蹴(け)り始(はじ)め、絵の奥(おく)へ奥へと、黄色い道を走っていった。「スーキー!」それは会えなくなった友だちに見えた。リリコは、両手を絵のほうへ、さしのべ、気づくと絵の中にいた。貨車(かしゃ)に飛(と)び乗(の)り、リリコの旅(たび)が始まった。
 五人きょうだいの中で、普通(ふつう)と思われているリリコ。いなくなった友だちを探す旅がいつしか自分(じぶん)を探す旅になっていく。
  高学年から