『LOVE TOGETHER YUKIHIRO TAKAHASHI 50TH ANNIVERSARY』 |
『観葉植物の文化誌』 | |
高橋 幸宏/著 KADOKAWA
サディスティックミカバンド、YMO、スケッチショウ、メタファイブなど様々なバンドで活動しているミュージシャン高橋幸宏。本書はプロデビュー50周年のアニヴァーサリー本として刊行されました。 様々なアーティストが語る「高橋幸宏」についてのインタビューや坂本龍一氏との対談など、読み応えたっぷりです。写真も多く掲載されているのですが、かっこいいおじさまというか、お年を召すにつれて魅力が増しているようです。御年70歳。かっこいい大人の魅力に浸ってください。 (Y.M) |
マイク・マウンダー/著 大山 晶/訳
原書房 観葉植物は、日々多くの人々に楽しみをもたらします。では植物はいつ発見され身近な存在になってきたのでしょう。本書は熱帯で生まれ育った観葉植物がどのように発見され、やがて品種改良を繰り返し、生活の楽しみや癒しへと変わってきたのか全8章に渡りまとめています。人が食物や繊維を得るため植物の改良をしてきた何千年の歴史と比べ、観葉植物栽培の歴史は百年にもなりません。観葉植物の育種という作業は美しさを求める反面、営利を目的とします。植物生産の安価な労働力や温暖化、野生の植物の保護等、生活を豊かにする観葉植物の歴史と現状には、様々な厳しい問題があることを指摘します。 (T.M) |
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『はぐれんぼう』 | 『へんろ道、うどん道』 | |
青山 七恵/著 講談社 クリーニング店で働く優子は、持ち主が引き取りにこない衣服、「はぐれんぼちゃん」を自宅に持ち帰ることに。翌朝、それらをすべて身に着け、ちぐはぐな格好になっていた優子は、もともと衣服を保管していた倉庫だという、不思議な銭湯にたどり着きます。その銭湯に隠された秘密を暴いていく中で、これまで目をそらしてきた自分自身に向き合うことになる優子。置いてけぼりにされた衣服とともに、元の居場所へ帰る。 ささやかな日常からはとても想像できない、怒涛のラストに引き込まれます。 (M.N) |
鈴木 弘毅/著 イカロス出版 四国八十八ケ所の遍路。弘法大師こと空海が開いた八十八ケ所の霊場を、これまた空海が四国に伝えたといわれる“うどん”とともに巡る旅。そこには、今までに見えなかった景色が広がっていました。 歩き遍路ならではの出会いや、トラブル、そこでなければ味わえなかった讃岐うどん。修行の中にグルメあり。結願の果てに食べた一杯とは、どんな味だったでしょう。 四国遍路の魅力満載、垂涎必須の一冊です。 (Y.N) |
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『前恐竜時代』 | 『ハンナ・アレント 全体主義という悪夢』 | |
土屋 健/著 ブックマン社 今なお地中に眠る化石は発見されることで生命の起源、地球の歴史を紐解くカギとなります。化石の中でも恐竜化石は、代表的なティラノザウルスなどその姿を彷彿とさせ、恐竜の人気は高まるばかり。しかし今から2億8千万年前、世界の大陸が地続きだった「ペルム紀」と呼ばれた時代には、単弓類といわれる生物が生息していました。地球生命の誕生から36億年以上の時をかけてたどり着いた哺乳類も恐竜類もまだ存在しない世界で、彼らは進化を遂げていきます。ところが、脈々と受け継がれていくはずだった単弓類の命は絶滅へと追い込まれていきます。 本書は、ペルム紀の古生物たちの存在と彼らがたどった運命にスポットをあて、その魅力を伝えています。 (Y.O)
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牧野 雅彦/著 講談社 ナチスから逃れ、全体主義という現象に正面から向き合った思想家、ハンナ・アレント。本書は、全体主義とは何であったか、全体主義が何をもたらしたのか、そして私たちがそれにどう向き合っていけばいいのかを、ハンナ・アレントの思想を通して説明しています。 全体主義をもたらした様々な要因は、今日においても存在し続けています。経済的な格差の拡大やそれにともなう民族、人種間の対立、経済発展と科学技術・テクノロジーの進展による人間の生活のあり方の変容など、「全体主義」が形を変えて再び登場する危険はむしろ拡大しています。ハンナ・アレントの考えを「手すり」に、全体主義に対抗するための新しい仕組みを考えてみませんか。 (S.M) |