平成20年2月号



今西 乃子/著 (そうえん社)

 今、自殺という手段で命を絶ってしまう人が日本の社会では、年間3万人以上にもおよぶといわれています。そして、その陰には家族を亡くして悲しんでいる人がもっともっとたくさん存在するのです。「父親の自殺を止める事ができなかった。」「父親が自殺したのは自分のせい」と思い悩んできた一人の青年。彼の姿を通して、この問題が誰にでも起こりうる問題で だからこそ、みんなでこの問題を考えないといけないときづかせてくれる一冊です。



那須田 淳/著 (理論社)

 ぼくはうさぎ。惑星開拓団のボランティアとして はるか彼方の星“地球”へやってきた。ぼくが地球でやる仕事?それは星磨き。恋に悩む人のために星を磨いてあげる。もし磨いた星がきれいに輝くと、その人の恋は叶うといわれているんだ。さて、今日はどんな恋に出会うかなぁ?



海堂 尊/著(理論社)

 曽根崎薫は14歳。歴史は大好きだけど、他の教科は人並み。一番苦手な教科は英語という、ごく普通の中学生。他の中学生と違うところは、父親が世界的に有名な教授だということ。 そんな薫がひょんなことから、「日本一の天才少年」となり、大学の医学部で、医学の研究をすることに。冷や汗まじりの毎日の薫だが、知らない間にある陰謀にまきこまれていって・・・ 著作「チームバチスタの栄光」が映画化され、今人気の著者の最新作です。



横山 充男/著 (ポプラ社)

 健は中学生。見た目も普通だし、友達もすぐに作れるが、他人とは決定的に違う「魔物」が自分の奥底にひそんでいるのを感じていました。怒りに火がつくと、普段の健からは想像がつかないくらい凶暴な人格に豹変してしまうのです。そのせいで転校を繰り返し、また新たな学校に通うことになった健。自分の過去を隠し、なんとかなじもうとしますが、健の本当の姿を知るという人物があらわれて・・・



エレン・ポッター/著 (主婦の友社)

 オリビアはお父さんと2人暮らし。でも管理人兼修理屋のお父さんは、いつも仕事を首になってしまうたよりなさ。そんなオリビアのお父さんに、やっと次の仕事場が見つかりました。だけどそのマンションはなにかが変。いやいやながら玄関に入ったものの、ぶあついじゅうたんのさきには、目をうたがうような光景が広がっていました。そしてその建物では、考えられない教室がひらかれていたのです。お父さんに訴えても、聞いてもらえません。どうする?オリビア!?



ウ・カプスン/著 菅野朋子/構成 (新潮社)

 彼女の名前はイ・ヒア。生まれながら「あざらし型奇形」という病気のため、指は両手とも二本しかなく、とても細い足を持って生まれてきました。その後も足の切断などたくさんの試練が彼女を待ち受けますが、持ち前の明るさで乗り越えてきました。でも、成長しても指に力がなく思うような動作ができません。そんな時、母親であるカプスンさんは娘にピアノをやらせてみようと思い立ちますが・・・「二本指のピアニスト」として、日本でもテレビで取り上げられたことのあるイ・ヒアさんの物語です。