平成26年1月号



ジェンマ・エルウィン・ハリス/編 河出書房新社

 「ペンギンは南極にいるのに北極にいないのはなぜ?」「空はどうして青いの?」「どんなふうに恋に落ちるの?」「いつかは過去に戻れるようになる?」「世界を歩いて一周すれば、どれくらい時間がかかる?」
イギリスの小学生100人に、今いちばん答えを知りたいことを書いてもらい、世界に名を知られた専門家たちがそれぞれについて考えた100の回答を集めた本です。
かわいらしい質問から、ひどくむつかしい質問まで、すぐには答えが出せそうにないものにも、世界の第一人者100人ならではの親切な、分かりやすい回答に、読むだけでも博学になれそうな本になっています。



吉野 万里子/著 講談社

 夢は宝塚の男役トップスターという“男前”な女の子 司真純は、中高一貫女子校の中学3年生。
学校生活を満喫する中、宝塚音楽学校を受験するか、進級するかの決断をする時期が近づいてきていた。サッカー部でも活躍している真純は、進路について母親と衝突し、悩みながらもサッカー部のキャプテンを目指して、青春を完全燃焼しようと走り出す。
困難にぶち当たり、悩みながらも「清く・正しく・美しく」を嫌味なく実現している“イケメン女子”たちの女子校ライフが描かれた爽やかな一冊。



吉橋 通夫/著 講談社

 今から467年前の11月、官兵衛は乱世の時代に生を受けた。天下を取った豊臣秀吉の天才軍師と呼ばれ、秀吉が最も恐れた男「官兵衛」。
黒田節で有名な黒田家の家祖であり、「福岡」の地名を名付けた人物でもある。
「戦わずして勝つ」生涯の戦いで一度も負けなかった官兵衛の原点はどこにあるのか? 
姫路で育った幼いころ、近くの寺の円満坊から教えを受けた「論語」と「孫子・呉子などの兵法」、そして、「命を全うする道」。
武勇、蓄財に才を見せた祖父、出城姫路城の城代であった父たちの影響。光姫との恋。今話題の官兵衛が身近に思える時代小説。



高橋 邦典/著 ポプラ社

 2003年、西アフリカにあるリベリア共和国では、激しい内戦が起こっていた。その中には、報道カメラマンの高橋邦典氏が、出会い、撮影した13才のモモと14才のファヤという少年兵、そして、砲弾で右手を引きちぎられてしまった6才の少女ムスがいた。
内戦が終わってからの10年間。3人の子どもたちは、それぞれにどんな暮らしをしていたのか。
度々リベリアに出かけた著者が、彼らの運命をたどっている。アメリカに留学することができたムス。服の仕立て職人になり、兄の店で働き出したファヤ。しかし、10代になってすぐに学校に行く機会を奪われ、殺し合いの世界に放り出されたモモは、心に深い傷を残したまま、ただうつろに暮らしていた。「戦争が俺たちをくさらせちまった。」戦争が、子どもたちから何を奪っていったのか。モモの言葉が物語っている。