平成23年5月号



シド・フライシュマン/作 徳間書店

 第二次世界大戦後間もないヨーロッパを旅していたアメリカ人の腹話術師フレディは、ある晩、少年の幽霊と出会う。ユダヤ人である少年は、ナチスの将校に撃ち殺され、妹も毒殺されていた。将校に復讐をするために、少年は、若き天才腹話術師の体の中に棲みついて興行の旅を続ける。ユーモアを交えながらも、戦争の悲惨さを伝えてくれる作品です。




イノウエミホコ/作 ポプラ社


ソラ、ユウタ、タケルの3人は男子弁当部を結成して、活動を続けていた。そんな中、3人は、夏休みの初日に、フリーマーケットが開かれることを知り、お弁当部門に出店することになる。メニューは「ライスバーガー」。
しかし、そこに現れたのは、取れたての野菜をメインにした弁当を作り出した、同級生のライバル・泉田ジュキだった。
さて、本当に“ウマイ”弁当は、どっちなのか?そして、男子弁当部の3人とジュキの友情は?「ベーコン&レタス」・「ツナ&キュウリ」のライスバーガーの作り方。「夏野菜のラタトゥイユ」の本格レシピ付です。



香山風太/作 東京図書出版会

両親の離婚で、母親に引き取られた小三の加奈と5才の優人は、月に一度しか会えないパパに、毎日日記を書いて、毎週、手紙で渡すことにする。日々の何気ない出来事を綴った手紙が、四十通を越えたころ、忙しく仕事に追われていたパパの体調に異変がおきる。
精密検査の結果、病名は「肝臓がん」。ずっと続くはずだった手紙は、お葬式の日に読んだ七十二通目で終わってしまう。
それから10年、二十歳になった加奈は、父の望み通りケーキ屋になる勉強中。
そして、ずっと書き続けた日記と手紙をお墓に供えた。
もう年を取ることのなくなったパパへの、七十三通目の手紙を・・・・・。



松田正男/文 ゴマブックス

 小さな小さな赤ちゃんが生まれたとき、白いひげの神様が現れ、小さな宝石をひとつ、そっと赤ちゃんの胸の中に置いていきます。「だいじにだいじにみがいておくれ。みがけばみがくほど、この宝石はつよくかがやき、大きくそだつのだから」と。
運動や勉強が得意な子、絵や歌が上手な子、優しい子・・・・。
全ての子ども達の胸の中にある宝石の原石が、「やる気」によって、かがやきだすきっかけになってほしい一冊です。