平成24年3月号



堤 和彦/著 ランダムハウスジャパン

 外国人が日本に来て、ジャパニーズクール(かっこいい!すごい!)と思うものに、おにぎりや紅葉狩り、居酒屋、御用聞きなどがあるのだそうです。
NHK‐BS1で放送されている「COOL JAPAN」。これまでの160本放送分から、プロデューサーの堤氏が、番組に出演した外国人の生の声から教えられた日本文化の素晴らしさを紹介しています。
“世界のしゃべり場”から日本人が再発見する日本のスゴサ!。日本人の技術力や伝統文化のみならず、人間関係や礼儀・しぐさにまで世界に誇れるジャパニーズクールが、日本を元気にしていくと著者は語っています。



ミリヤム・プレスラー/著 岩波書店

 1192年、第三次十字軍と死闘の末、聖地エルサレムを手に入れたイスラムの名主スルタン・サラディンは、ユダヤ商人ナータンに問いかける。「イスラム教、ユダヤ教、キリスト教のうちどれが唯一、真実の宗教か?」と。
宗教のちがいを乗り越え、人類愛を説いた18世紀ドイツの名戯曲「賢者ナータン」を現代版にリメイクした小説です。
「アンネの日記 完全版」を翻訳し、「ビターチョコレート」などの著作でも知られるプレスラー。ユダヤ人であることと、里親の家と孤児院で育った苦しい子ども時代を過ごしたことが、この作品を生み出す原動力となっています。



やまだ かず/著 文芸社

 おとなしくて引っ込み思案のモモ子は、小学5年生。夏休みにでかけたのは、魔法の国に住んでいるおばあちゃんの家でした。8月15日の満月の日、男の子は魔法使いになるためのテスト、女の子は魔女になるためのテストがあるのです。何も知らされずに森に行かされたモモ子の魔女になるための特訓が始まりました。そこに、大事件が発生して・・・・。
突然母子家庭となり、かぎっ子となってしまった孫娘のために、遠く離れて暮らすおばあちゃんが、毎日FAXで送り続けたおはなしが魔法の国のモモ子の冒険物語となりました。物語が完成した後も推敲を重ねて足掛け12年、高校3年生になった孫娘のために自費出版された小説です。



永田 美穂/著 PHP

 祝いや祭事に着る服をなぜ「晴れ着」というのか。農耕民族である日本人が「ハレ」と肌着を意味する「ケ」のけじめを設け、日常生活に変化を持たせるためのものだったそうです。
頭をさげることが、なぜ挨拶になるのか。折り鶴を千羽も折る理由とは。ひな祭りが済むと、すぐにひな壇を片づける不思議など、自然に無意識に受け入れていた数多くのしきたりの「なぜ」について、合理的に、科学的に解説しています。日本の良さを認識して次の世代に伝えるために、日本ならではのしきたりにまず、興味を持ってみましょう。