平成24年12月号



中谷彰宏/著 PHP研究所

 中学生は、部活があり、勉強があり、家の手伝いがあり、とにかく忙しい。しかしそれは、ラッキーなこと。忙しくて追い詰められたほうが人間は集中力がぱっと出るのです。 
著者は、ハッピーな中学生になるために
「名前をきれいに書けるようにしよう」
「モテるために早寝早起きをしよう」
「カッコいい大人を探そう」
「気づかれない いいことをしよう」
「親と話そう」など30を挙げてすすめています。
あなたも、ハッピーな中学時代を過ごすために今日から一つずつ実行してみませんか。 



斉藤洋/作 偕成社

 「それ買って行けよ。三匹ともだぞ。後悔はさせない。」新宿のデパート9階の熱帯魚専門店に偶然入った私は、そこで、水槽にいる1匹のコリドラス・パレアトゥスから話しかけられる。体調4㎝ほどナマズの仲間、突然しっぽ つまり しりびれで水底に立ち上がるような恰好をする魚だ。
作家の「私」と書斎に置いた水槽に棲むなまいきな小ナマズ「コリドラス」との奇妙でもゆかいな共同生活。その中で、パリのソルボンヌ大学でヒンディー語とベンガル語を学んだコリドラスが語る楽しくもびっくりする世界一周の旅行記と、作家の短編小説が混在したショートショート集。どこから読んでもハマってしまうユーモアたっぷりのおはなしです。



樫崎茜/著 講談社

 中学3年生の安中千里は、陸上部に所属しているが足の痛みのために休部中。
そんな時、幼なじみの小木から誘われて、休園が決まっている地元の動物園へ新聞部の取材にでかける。そこで見つけた肥満体の不恰好なチーターのはく製。それから、千里は動物の博物館への「検体」のこと、戦争中に動物園で猛獣処分が行われたこと、動物園と博物館の役割、そして、生と死について考えさせられることになる。
「生きているとはどんなことなのか」
はく製を勉強していくにつれて、生きている動物の筋肉のつき方、気持ちが表れる眼球の動きにも気づき、命と生きていくことの大切さを自覚する少女と、彼女を取り巻く人々を明るく描き出しています。



金谷俊一郎/著 マガジンハウス

 日本ではあまり知られていないが、世界では有名な人や、ある国ではその功績により偉人として讃えられている日本人たち。
こんな立派な日本人がいたんだ!!
台湾で現地農民のために巨大ダムを残した八田輿一。
柔道を普及するために世界中を戦い歩いた最強の男 前田光世。
オペラ「蝶々夫人」を外国で二千回演じ、作曲をしたプッチーニも絶賛したプリマドンナの三浦環などの11人を紹介している。
そして著者は、今のような閉塞した世の中こそ、個人が世界のために活躍する、立ち上がることが必要だとし、「日本人よ、世界を目指せ!」と訴えている。