平成29年5月号



アレックス・シアラー/著 求竜堂

 若い身体を乗っ取って、何百年も生き続ける恐ろしい魔女がいた。主人公のカーリーは12歳の体を乗っ取られてよぼよぼのおばあさんの体に取り換えられてしまう。両親に訴えても「かわいそうなおばあさん、ボケてしまったのね」と老人ホームに入れられてしまった。年老いた体で、奪われた人生を取り戻すことができるのだろうか。




アレックス・シアラー/著 竹書房

 少年ファーガルはラベルのない缶詰を集めるという変な趣味があった。その缶詰はラベルがはがれてしまって、スーパーで特売品のワゴンで売っているもの。ある日、軽くてカラカラ音がする缶が気になり開けると金のピアスがひとつはいっていた。もう一つ開けると…不気味なぞっとするものが入っていて…。



アレックス・シアラー/著 ダイヤモンド社

 双子の兄弟は父親と三人暮らし。豪華客船で働いている父親が航海に出る時は、いつも祖父母の家に預けられる。でもそんなのつまんない。二人は父親の働く船にこっそり忍び込んだ。乗客のふりをして、船の旅を楽しんでいたが、密航がばれないように気を付けなくてはいけない。そして、その船には海賊が乗り込んでいたから、たいへん!!



寄藤 文平/筆 美術出版社

 子どもの頃はだれもがノートに思い思いのラクガキをしていました。上手い下手を評価するわけでもなく、みんなで絵を描いたり見せあったりするのが楽しかったのです。ところが大人になると絵を描く人がほとんどいません。 
 ラクガキはどこまでも拡がる想像の世界です。イラストレーターの著者が、自分が考えていることを絵にするためのコツを教えてくれています。



小島 渉/著 さ・え・ら書房

 カブトムシはだれもが知っている大人気の昆虫です。子どもだけでなく、大人の飼育愛好家もたくさんいますが、意外と研究者はあまりいません。そんな数少ないカブトムシ研究者の一人である著者の研究の記録です。
 著者はあちこちでカブトムシの幼虫を掘り出しているうちに、幼虫たちは土の中で一ヶ所にまとまっていることに気づきました。そこで数か所で野外調査を行い、間違いなく集中して分布していることを実証しました。それから「どうやって集まるのか?」「なぜ集まるのか?」と研究が進んでいきます。謎が解明されていく様子が興味深く読めます。